私がスウェーデンに住み始めて、こちらのやり方に驚いたことは大小多々ありますが、その中の一つに個人情報の取り扱いというものがあります。

スウェーデンに有効なビザを所有して一年以上住む場合、personnummer(ペルションヌンメル)というものを申請することができます。いわゆるパーソナルナンバー、個人番号なのですがこの番号を取得してようやく、スウェーデン国内で通用するIDカードを作ることができるのです。

このpersonnummer(以下PN)を持っていれば、スウェーデン国民と同じように医療が受けられるし、無料のスウェーデン語学校に通うこともできます。日本では国民総背番号制の導入が議論されていたことがありますが、スウェーデンではこの番号を利用することによって、自治体は住民のデータを簡単に管理することができ、私たち住民は住民票の取り寄せなどにかかる煩雑な手続きをはぶくことができるというメリットがあります。

具体的にどういう場面で使われるのか、いくつか例を挙げてみたいと思います。

 

例1:病院での使われ方
写真:sos-exterior写真: sodersjukhuset.se
病院にかかる際、まず受付で名前とPNを聞かれます。診察が終わった後、処方箋の情報がデジタルでデータベースに保管されます。このデータは各薬局からアクセスすることができるので、私はどこのチェーンの薬局に行っても、IDカードを提示するだけで医者から処方された薬を購入することができるのです!

 

例2:税務署での使われ方
写真:Startsida   Skatteverket写真: skatteverket.se
何かの申請に結婚証明や住民票が必要になったとき、まずは税務署(意訳です。Skatteverketというのが正式名称です)のホームページをチェックします。ホームページでは、各種書類の取り寄せがオンラインで行えるようになっていて、私は自分が必要な書類の形式を選んであとはPNを入力するだけで、2、3日後には郵送で書類が自宅に送られてきます。

 

例3:デパートでの使われ方
写真:Åhlens写真: hlens.se
PNを利用しているのは公的機関だけではありません。スウェーデンのデパートÅhléns(オーレンス)を良く利用する私は、会員カードを作ってお買い物ポイントを貯めよう!と思いホームページから申し込みました。すると、会員登録が完了するとオーレンス会員はレジでPNを伝えるだけで会員証を提示したのと同じようにポイントが貯められる、と説明がありました。カードはオーダーすれば届けてくれるそうですが、基本的に重要なのはPNなのでPNさえ分かればいいみたいです。プラスチックカードを作る手間も省けるし、これってちょっとエコ…?!

このような、PNと会員システムを連動させているのはオーレンスデパートだけではありません。すべての店でこれを行ったら「財布が会員カードでパンパンだよ!!」みたいな事態からも逃げられるのでは!?

ミニ会員カード。PNがあればこれも持ち歩く必要なし!

この番号一つに、私の名前、住所、生年月日、さらにはオーレンスポイントの情報まで詰まっているのはちょっと不安でもありますが、スウェーデンの人はそんなことは気にならない様子。もちろん、パスポート番号やクレジットカード番号には十分神経質なようですが。

こちらの個人情報について驚いたことがもう一つ。それは、ネットで住所と電話番号が分かってしまうんです!!スウェーデンには個人名、住所、電話番号が乗っている昔のタウンページのようなサイトがありますが、憧れのあの子もフルネームを入力すると住んでいるところも電話番号もわかっちゃうんですね…。もちろん、スウェーデンには同姓同名がうじゃうじゃいますから、80代から10代まで、憧れのあの子と同姓同名の人がずら~り、なんてことも。

以前私の夫の友人が、私たちの結婚式の開始時間を聞きたくて当日に電話してきたことがありました。なんと、教えていない私の番号に!!どうやら、夫の名前は同姓同名がいるかもしれないけど私の名前は日本人だから一人しかヒットしないだろう、と検索して見事番号を探し当てたそうです。こちらから依頼すれば、電話番号はそのホームページから削除してもらえるようですが、「ああ日本とは全く違う国に来てしまったんだなぁ」と思った一件でした。

会員カードも持ち歩かなくていいし、お役所の書類を取り寄せるのもネットで完了できる便利さにはメロメロですが、個人情報の漏洩はちょっと怖いな…とどうしても思ってしまいます。

皆さんはこの制度、便利だと思いますか?