ヒュゲリなコラム

男性への道のりは過酷!?

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みなさん、こんにちは!大学でスウェーデン語を勉強している横井卓真と申します。私はスウェーデン社会の中でも特にジェンダーに関心を持っています。

突然ですが、みなさんはLGBT(スウェーデンではHBT)という言葉をご存知ですか?Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダーを意味します。日本の芸能界では「オネエ系」などと呼ばれる方々が人気を呼び、その中のトランスジェンダーの方が取り上げられることはありますが、一般社会(芸能界以外の世界)においてLGBTは、日本ではあまり浸透していないのではないでしょうか。

では、性の多様性に対して寛容と言われるスウェーデンではどうなのでしょうか。今回は、スウェーデンの新聞記事で取り上げられていたスウェーデン人男性に対するインタビュー記事を簡単に紹介したいと思います(彼はかつては女性でした)。

長編のインタビュー記事には、まとめると以下のようなことが書かれていました。

 

1.女性として生まれたアルマ・アンナドーリットさんは高校生の時、自分がトランスセクシュアル(広義のトランスジェンダーに含まれ、日本語では「性同一性障害」と訳されることもある)であると認識しました。それを友人に伝えましたが、実はその友人たちは以前からわかっていて、既に受け入れていたのです。

2.アルマさんは2011年、名前を「ミーオ(男性の名前)」へと改名しました。

3. トランスセクシュアルであることは「病気」として扱われています。そして、トランスセクシュアルであると診断されれば、ホルモン療法や、最終的には手術を受けることが可能になるので、彼は「トランスセクシュアル=病気」であると診断されることを望んでいます。ただし、最終的に手術を受けることは彼にとって重要ではないのです。あくまで彼は自分の体を大切にしており、女性として生まれたことに感謝と喜びを感じていて、たとえその身体にメスを入れなくとも男性として生きてゆくことが、彼にとっては重要なのです。

 

スウェーデンらしい記事ですね。まず日本では、このような記事が取り上げられることはあまりないのではないでしょうか。まだまだ日本では性の在り方に対して寛容ではないようですが、このような一般の人々(芸能人、テレビタレントではない人々)の多様な性に対する価値観が日本でも認められるようになるとよいと思います。

しかし一方で、性別に対する感覚であるはずのトランスセックス(性同一性障害)のことを、ほとんどの国が「病気」に分類するということに、私は違和感を覚えました。

参考:
Alma, 21, har bestämt sig – nu blir hon man | Hälsa | Expressen