ヒュゲリなインタビュー

【YOUは何しに北欧へ?】Vol.5:フィンランドの若手陶芸家、大野藍さん

今日は『YOUは何しに北欧へ?』のVol.5をお届けします。

Vol.4のスウェーデンの若手陶芸家・大矢真義さんにご紹介いただいたのは、フィンランドで同じく陶芸家として活躍されていた大野藍さん。もう日本に帰国されましたが、この連載で初めてスウェーデン以外の国で生活されていたYOUをピックアップしたいと思います!

大野さんの、フィンランドとの運命的な出会いとは?どんな作品を手掛けてきたのか?日本とは異なるフィンランド流のライフスタイルとは?などなど色々とお話を伺いましたので、最後までインタビューをお楽しみください!
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もくじ

たまたま飛行機で隣に座っていた方がアート好きなフィンランド人女性だった

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1. フィンランドに引っ越したきっかけを教えてください!

フィンランドに引っ越す以前はイギリスのアート大学に在籍していました。たまたま一度ロンドンから日本に帰る飛行機で隣に座っていた方がアート好きなフィンランド人女性だったんです。会話が弾み、自身の作品を見せたところ、私の作風はフィンランドデザインのようだと言われ、それがフィンランドデザインを調べるきっかけになりました。

その後フィンランドデザインの色彩感覚(特にガラス)に感銘を受け、大学院を探し、デザインの勉強をする決心をしたんです。たまたま受験の応募の締め切り日が私の誕生日だったため、なんとなく受かる気がして、受かりました!笑

2. フィンランドではどのような活動をされていましたか?

東京で就職が決まったため急遽1月中旬に帰国しましたが、フィンランド滞在中はバイトと掛け持ちしながら作陶していました。

以前住んでいたアパートを出なければならなくなった時、学校のインターネット掲示板で部屋探しをしていたところ、運良くその日のうちにフィンランドで陶芸家さんとご結婚された日本人男性の方から連絡があり、その家族とホームステイをすることに。その家の地下には陶芸の工房があり、作陶ができました。

3.フィンランドに来て仕事上で一番の苦労話(あるいはカルチャーギャップを感じたこと)を教えてください!

言語の違いから税金などの管理は難しかったです。フィンランド人は英語を流暢に話す人がほとんどなのですが、公的な資料はフィンランド語とスウェーデン語のみでした。理解不足から罰金5000ユーロという手紙を受け取ったこともありましたが会計士さんの手助けもあり、結局は5ユーロで済みました(汗)。

 

自分の作品が使われているところを思いがけなく発見できた時は嬉しい

hirameki(原田智香子)

画像:原田智香子

4.フィンランドに来て仕事上で一番嬉しかった話を教えてください!

作品を飾ってくださったり、使ってくださっているところを思いがけなく発見できた時はいつでも嬉しいですね。展示では2010年Tokyo Designers Week一環のフィンランドデザインの展示、Hiramekiに参加できたことがとても印象に残っています。

フィンランド人は自然の中での時間の使い方が上手

キノコ

5.大野さんがフィンランドで学んだ仕事術あるいはライフスタイルで、日本でも取り入れられそうな(あるいは日本人が見習うべき)ことはありますか?

フィンランドでは自然はみんなで共有するものという考えから、べリーやきのこは庭のようなところではないかぎりどこの森でも好きなように採取できる自然享受権があります。夏はコテージに行ってべリー摘みを満喫したり、秋はキノコ狩りに出かけたり、フィンランド人は自然の中での時間の使い方が上手だと思いました。

6.今後の目標(短期でも長期でも結構です)を教えてください。

イギリスとフィンランドの留学生活から学んだことを日本の伝統工芸に応用することが今後の目標です。日本の技術は海外にもっともっと広げていくべきです。そのための手助けをしていきたいです。

7.大野さんにとって、もっともヒュゲリ(デンマーク語で心地良い・リラックスできるという意味)な瞬間はなんですか?

フィンランドの薪のサウナに入るときです。疲れている時にサウナはとってもリラックスでき、肩こりや風邪にも効果的です。電気ではなく薪のサウナは風味もよくじんわりとした暖かみがあるためおすすめです。
フィンランドのSavitaipaleに住む陶芸家の知り合いの工房のサウナの隣にある湖

画像:サウナの隣にあった湖

8. この企画は、リレー形式で続けようと思っております!他に北欧で活躍している日本人の方をぜひご紹介ください。

フィンランド在住の小山泰(こやま・やすし)さんを紹介したいと思います。とてもかわいい動物たちを制作していらっしゃる木工彫刻家さんです。LokalでHei Nipponというグループ展があった時、お互いに出品させていただいたのでオープニングで知り合いました。

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いかがでしたでしょうか?

たまたま飛行機の中で隣に座っていたフィンランド人女性と話が弾んだことがきっかけで、フィンランドデザインに興味を持たれた大野さん。

このような運命的な出会いって、いつどこに転がっているかわからないものですね。

今は日本にいらっしゃいますが、イギリスとフィンランドの留学生活で学んだことを生かして、今度は日本から海外に向けて発信したいとのこと。これから大野さんがどのような活躍をされるのか、引き続き見守りたいと思います!

次回は、フィンランドで木工彫刻家として活動されている小山泰さんをご紹介します。

お楽しみに!