今回はデンマーク語の歴史の中で起きた面白いエピソードを紹介します。その名もマヨネーズ戦争(Majonæsekrigen)です。マヨネーズ戦争が起きたのは今から約30年前の1985年。

Mayonnaise
画像:Fil:Mayonnaise Jar 550×900.JPG – Wikipedia, den frie encyklopædi

このマヨネーズ戦争の発端はデンマーク語の正書法、つまり正しいデンマーク語の綴りとは何か?という議論でした。この時問題になったのが¨majonæse¨なのか¨mayonnaise¨なのか?1つ目はデンマーク語風のスペル、2つ目はフランス語のスペルです。

Majonæsekrigen02
画像:Retskrivningsordbogen, 4. udgave – Det danske sprog har været gennem flere store dramaer – Politiken.dk

デンマーク語に関する研究や規定を作成するデンマーク国語審議会(Dansk Sprognævnet)は当初、フランス語のスペルであるmayonnaiseをデンマーク語のスペルmajonæseに合わせる方針を打ち出していました。ところが、この方針にどんどん反対の意見が出るうちに議論が白熱。遂にはデンマーク政府までが動く大論争となってしまったのです。

結局、デンマークの当時の文化省大臣と教育省大臣との会議の結果、デンマーク国語審議会の方針は変更され、「majonæseとmayonnaiseのどちらも可」とするということになりました。

そして時は流れ2012年。デンマーク語の正書法辞典の第四版が出版された時にはデンマーク語のスペルであったmajonæseは辞典から姿を消してしまいました。

最も大きなデンマーク語辞典Den Danske Ordbogのmayonnaiseの項目を参照すると、majonæseのスペルも掲載されているのですが、注意書きに“nu uofficiel stavemåde”、つまり「今では正式なスペルではない」と書かれています。なんだか少し寂しい気持ちになりました。

スペルだけでこんなにも議論が白熱してしまうデンマークですが、過去にはコンマ(句読点)についても大論争が繰り広げられています。その名もコンマ戦争(Kommakrigen)。これについてはまた機会があればご紹介しようと思います。

マヨネーズ戦争、コンマ戦争。次はどんな論争が巻き起こるのか、気になるところです。

参考:
Majonæsekrigen – Wikipedia, den frie encyklopædi
Retskrivningsordbogen, 4. udgave – Det danske sprog har været gennem flere store dramaer – Politiken.dk
majonæse — Den Danske Ordbog
Fil:Mayonnaise Jar 550×900.JPG – Wikipedia, den frie encyklopædi