こんにちは。デンマークライターの大月です。9月よりノアゴースホイスコーレ(Nørgaards Højskole)というフォルケに在籍しています。ちょうどユラン半島の真ん中あたり、デンマーク第2の都市オーフスから電車で50分程離れたところにある、とても小さな町です。(フォルケというのは北欧発祥・特有の成人教育機関です。試験や成績等を一切排除し、人と人とが集まりそこから生まれる対話や相互作用を通じた人間形成というところに重点をおいているのが特徴です。詳しくは以前ヒュゲリニュースでフォルケについてまとめた記事があるので、リンクを参照ください。)

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みなさんは日本の教育や学校というものに対してどのようなイメージを抱くでしょうか?大半の人にとって、真っ先に浮かぶのは試験や成績などといったアカデミックなものではないでしょうか?そんな私たちからすれば、フォルケというのはものすごく画期的で斬新な学校なのです。私がここへきて常に感じ刺激されていることは、自由でオープンな雰囲気と生徒の主体性、創造性の高さです。

少しでも読者の皆さまに、フォルケの雰囲気をお伝えできればと思い、今回は私がすごくフォルケらしいなと感じた“表現の場の多さ”について触れたいと思います。

自分を生かす、表現の場

私のいるノアゴースホイスコーレは総合フォルケホイスコーレにあたり、専攻科目は演技、写真、スポーツ&クロス、音楽、エレクトロニックミュージック、ジャーナリズム、ダンス、アウトドア、芸術、執筆と多岐に渡っています。特に音楽専攻と写真専攻は、技術経験ともに豊富な先生陣を抱えているため、とても人気です。

この学校へ音楽を学びに来るデンマーク人の中にはミュージシャン志望の子が何人もいます。アーティスト系、クリエイティブ系の専攻が多いことも関係してか、私の学校ではお互いの作品やパフォーマンスを見せ合ったり、学外の人たちに披露する機会がたくさんあります。

  1. 学習発表会(Familie og Venne Dag)
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    デンマークのほぼ全てのフォルケでは、Familie og Venne Dagという、家族や友人を招待し自分たちがそれまで学校で学んできたことややってきたことを披露する、いわば学習発表会のような日があります。

    デンマーク人生徒のほぼ全員が自分たちの家族、それも両親や兄弟全員を招待していたことには驚きでした。なぜなら音楽会や運動会などの“親に見てもらう行事”というのは、私は中学生が最後だったからです。

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    こちらの写真はFamilie og Venne Dagでの様子です。この日のために数人の生徒たちがパーティーバンドを結成し、パーティーを盛り上げてくれました。

  3. 町の公民館で
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    また私の学校では、定期的に町の公民館のような場所でローカルの方々も招待した発表会を行います。会場では芸術、写真専攻の作品が飾られたり、ダンス専攻、音楽専攻によるパフォーマンスが行われます。

  5. オープンステージ
  6. 最後に紹介したいのがオープンステージです。これは上の2つと違って学校のカリキュラムの一環として組み込まれているわけではなく、定期的に行われるわけでもありません。誰かがやりたいと言えば開催され、かつ内容もまったくもってフリーな表現の場です。

    ある日突然オープンステージ(åbne scene)と書かれた一枚の紙が掲示板に張られ、それを見た生徒たちが次々と自分の名前と演目を記入していく、こうしてひとつの“ステージ”が出来上がっていくのです。特技のブレイクダンスを披露する子、自分で作曲作詞した曲を歌う子、ショートフィルムを作って流す子、自作の詩を朗読する子、母国の文化について演説するアフリカ人留学生の子もいました。

    何をしても良いし、誰でも立候補できる。オープンステージとは、とにかくなにか楽しい時間を過ごしたいと思うみんなの思いから生まれる舞台だと、私は思います。

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    こちらの写真はエレクトロニックミュージック専攻の子がオープンステージにて、エレクトロニックミュージックがどのようにして出来上がっていくのかのデモンストレーションを含めたパフォーマンスを披露してくれた時の様子です。

自分を表現する機会、他人に自分を見てもらう機会が多くある事の一番の意義は、自分らしさを発見し、実感できる事ではないでしょうか。そしてなにより誰ひとりとして人の失敗を笑ったり批判したりしない、これが一番素敵なことです。