「トロール」という言葉を、どこであなたははじめて耳にしましたか?

例えば「ムーミントロール」でしょうか、あるいはドラゴンクエストの「トロル」でしょうか、他には『ハリーポッター』や『アナと雪の女王』にも「トロール」が登場するようです。「トロールビーズ」というデンマーク発祥のアクセサリーも日本で人気があるので、そこからトロールの名前を知った方も多いでしょう。

日本ではアニメやゲームの登場キャラクターとしてよく登場するトロールですが、トロールとはなにか?ということについて詳しく書かれたウェブサイトは、意外なほど多くありません。

そこで本記事では、トロールについてまとめてみました。


トロールってなんだ?

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Photo by Michael Matti

トロールとは、北欧に伝わる怪物のことです。原書房から出版されている『世界の怪物・神獣辞典』によると、北欧に伝わる本来のトロールは「巨大で醜く毛深い、性悪の巨人」なのだそう。

北欧でも国や地域によって伝承のされ方は違い、たとえばデンマークのエブレトフトという地域に伝わるトロールは「背中にこぶのある、大きな鉤鼻のオーグル(人食い巨人)で、灰色の上着と先のとがった赤い帽子を身に着けている」ことが特徴。アイスランドのトロールは「性悪なひとつ目の巨人」、フィンランドのトロールは湖に棲み、神秘的な石の力によって普段は閉じ込められているけれど「霧が出たり嵐になると、石の魔力が弱まるために、人々は外に出ず、釣りもしない」のだとか。

ノルウェーに残る伝承が面白くて、同じく「性悪で毛深いオーグル」ではあるものの、彼らは2つの性格を持つそうで、片方で「彼らが気に入った家には富と幸運を授ける」けれど、そうでなければ「悪意があって作物や森林地に危害を与える」んだそうです。しかし「もし太陽に照らされると彼らは石に変わってしまう」という弱点も持っており「夕暮れと夜明けの間にしか現れない」という特徴があったとされています。


可愛らしい石の妖精として描かれた『アナ雪』のトロール

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前述の『世界の怪物・神獣辞典』によると、北欧以外の地域に伝わるトロールはもっと小さく、しばしば小人として描かれる場合もあるのだそうです。

例えば『アナと雪の女王』に出てくるトロールは、小さくて丸っこい、可愛い生物として描かれていますよね。しかも「恋愛のスペシャリスト」という設定もあります。

各地で各時代にさまざまな物語が生まれ、その過程でトロールもいろんな姿・性格で描かれて変化していったということなのでしょう。


トロールについてもう少し知りたい方は・・・

トロールについてもう少し詳しく知りたい方は、手始めに2012年に日本で公開された映画『トロールハンター』を観ることをお勧めします。既にiTunesやAmazonで購入・レンタルが可能です。あらすじを引用します。

ノルウェー・ヴォルダ大学の学生3名が学校の課題で、地元で問題になっていた熊の密猟事件をドキュメンタリーとして追ったことがきっかけとなり、偶然にも本記録映像の撮影に成功。密猟者を追う中で出会った謎の男、ハンス。夜な夜な森の中に姿を消す彼を尾行すると、そこにはおとぎ話だと思っていたトロールそのものが現れたのである!

引用:Amazon.co.jp: トロール・ハンター(字幕版): オットー・イェスパーセン, グレン・エルランド・トスタード, ヨハンナ・モールク, トーマス・アルフ・ラーセン: Amazonインスタント・ビデオ

2010年にノルウェーで制作されたドキュメンタリー“風”映画で、これがノルウェー国内でヒットした事も合わせて、最近のノルウェーでトロールがどう捉えられていのるか、ほんの少し想像する事が出来ます。

もちろんフィクション作品ですが、巨大なトロールの動きや細かな描写がかなりリアル。失礼ながら「低予算のB級作品っぽい感じかな」という事前期待で観たので、意外なほどの迫力にびっくりしました。

もっと勉強したいという方には、前述の本『世界の怪物・神獣辞典』をお勧めします。他の怪物・神獣に比べてもとても詳細に言及されていますし、各国で違う伝承のされ方も詳しく掲載されていて、大変勉強になります。


ノルウェーに伝わることわざ「トロールのいたずら」ってなに?

最後に、ノルウェーに伝わる「トロールのいたずら」ということわざをご紹介します。

Wikipediaによると「ノルウェーの人の中では、日常生活でふっと物が無くなった際には「トロールのいたずら」と言われる」のだそう。他にもいくつかのブログでこの「トロールのいたずら」の話について、日本語での記述があり、以前はヒュゲリニュースでもそのようにご紹介しました。

ただ、今回記事を書くにあたって、ヒュゲリライターの友人であるノルウェー人に確認したところ「「トロールのいたずら」は聞いたことがない」と言われてしまいました(苦笑) 話を聞けたのが1名だけだったので、この話だけで現地での浸透度を判断することは出来ませんが、みんながみんな使っているというわけではないのかもしれませんね。

このあたりの温度感は、現地の方ともっと深く繋がってみないとわからないですね。

以上、北欧に伝わる怪物トロールのお話でした。

※そういえば、過去には変なトロールの着ぐるみに関するご紹介記事も書きましたよ。

参考:
『世界の怪物・神獣辞典』(297ページ)
Amazon.co.jp: トロール・ハンター(字幕版): オットー・イェスパーセン, グレン・エルランド・トスタード, ヨハンナ・モールク, トーマス・アルフ・ラーセン: Amazonインスタント・ビデオ
Fremont Troll near Seattle by Michael Matti | Flickr – Photo Sharing!
トロール – Wikipedia