こんにちは。スウェーデンライターのkentaです。先日、興味深い報告が発表されたのでご紹介します。

countrysidentityreserch2015
画像:WVS Database

これは、「世界価値観調査(World Values Survey)」が今年1月に発表したグラフで、2010年から2014年にかけて行なわれた調査を基に作成されています。調査は世界61カ国で行なわれ、各国1,200〜1,500名が調査票に回答。回答内容は、家族、仕事、宗教、政治、社会、科学、安全、将来についてなど、幅広い分野に及んでいます。

グラフの縦軸は伝統主義か、あるいは世俗・合理主義かを表します。

グラフの下に位置するほど伝統に重きを置く社会で、宗教や権威、伝統的な家族形態を重視。離婚や中絶、自殺などには強い拒否感を示し、自国への誇りやナショナリズムとも大きく関わってきます。反対に、上に位置するほど非伝統的なものごとへの抵抗が少なく、合理性・利便性を求める傾向にあるとされています(ただし、自殺には拒否感が強い)。

横軸はサバイバルか、あるいは自己表現かを表します。

グラフの左に位置するほど経済的・物質的豊かさを重視し、また自民族中心主義の傾向を示します。反対に、右に位置するほど精神的豊かさを重視し、外国人や性的マイノリティーへの寛容、環境保護への関心、政治決定への参画意欲が強いことを示します。

以上のことを踏まえてグラフを見てみると、北欧勢は右上に固まって位置していますね。合理性や機能性を求める洗練された北欧デザイン、選挙投票率の高さや多様なバックグラウンドを持った人々の共生を実現している北欧社会に裏づけられた調査結果であるように思われます。

一方で日本は、横軸上では真ん中に位置していますが、縦軸を見てみると調査参加国の中で一番上に位置しています。

いかがでしょうか。もちろん、この報告が絶対に正しいわけではありませんし、グラフのどこに位置しているから良い(悪い)ということも言えません。

この報告からうかがえる北欧諸国の「精神的寛容」は裏を返せば、他の人が何をしようと特に何も気にしない「冷たさ」や「とっつきにくさ」といった北欧人のイメージとも重なります。

伝統を重んじる国は考え方が遅れていて、産業化が進んだ社会が合理的で幸せだというわけでもありません。

みなさんはこのグラフを見て、どう思われますか?

参考:
WVS Database