いま若い女性や写真愛好家の方たちに人気の女性写真家かくたみほさん。彼女が10年来の虜になっているというフィンランドで撮り下ろした作品を集めた「MOI MOI そばにいる」が発売されました!どこかノスタルジックで柔らかい空気感や温もりが写真を見れば伝わってくる、そんな優しさをもったかくたさんの写真は、フィンランドのありのままの暮らしを丁寧に切り取っています。

今回は写真集の発売を記念して、かくたさんにフィンランドの魅力について聞いてみました!

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フィンランドに惹かれるわけ

Q 10年前からフィンランド魅了されていると書いてありましたが、フィンランドに惹かれる理由はなんでしょうか?

都市部がコンパクトで、すぐに大自然の中に行けるアクセスの良さですね。風景だと自然を撮るのが好きで、町中だと人を撮るのが好きなので、作品撮りで行くとその両方がカバーできるので撮りやすいなって(笑)あと白夜とかオーロラとかの自然現象も好きでハマりました。

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Q 他の北欧諸国を訪れたことは?

アイスランド1回とノルウェー2回、スウェーデンが1回だけですね。他が手薄でフィンランドばっかりです(笑)

Q 他の北欧諸国と比べてフィンランドはどうですか?やっぱりフィンランドに惹かれますか?

田舎が好きなのでスウェーデンとデンマークはちょっと都会かなと思っていて(笑)あと他よりは物価がちょこっと安い。それとシャイな人柄が日本人となんとなくフィーリングが合うかなと感じていて旅行しやすかったです、フィンランドは。

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Q フィンランドでお気に入りの場所はありますか?

気に入ってるのはイナリかなやっぱり。ラップランドのイナリという場所に、琵琶湖より大きな湖があって、空が広いので、冬だとオーロラが見えやすい。夏も自然が豊かなのでベリーやキノコを採ったり、魚釣りをしたりしていろいろ自然の恵みで遊べるというか。それが一番楽しみで行ってますね。

大気圏のブルーみたいな

Q 今回の写真集では木々や葉の隙間から見上げた空の写真が多いように感じました。フィンランドの空についてどう思いますか?

やっぱり空が広いなっていう印象がすごくあって、あと空気が澄んでいるのでなんとなくクリアに見える。だから緑、植物の色彩も鮮やかに見えるというか。そこが気に入ってますね。

あと冬のラップランドは空気が冷たいので、更に凛とした雰囲気で大気圏の色を見ているような、空のブルーが奥行がわからないような、不思議なべたっとした色で。よく宇宙から見た地球の写真で、地球の縁が水色に光っているのがあるんですけど、その大気圏のブルーみたいな、空気の色が映っている感じがして、冬のラップランドの空が一番好きですね。

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Q 色や光については?

やっぱり緯度が高いので斜光になる時間帯が多くて、西日みたいな黄色い光が多いので柔らかく感じるというか。白夜もあるので、そういう時間帯が多くて撮りたい時間が長いです。

Q 正方形写真のこだわりはなぜですか?

正方形で取れるハッセルブラッドというカメラを使っているんです。もともとCDジャケットやレコードジャケットのデザインに興味があってジャケットデザインの仕事がしたいなと思って、学生時代はグラフィックデザイン科に行ってたんですけど、写真のほうが性格にあっていたのでデザイナーではなくカメラマンになったんです。その流れで正方形のフォーマットが好きになりました。自分の中では収まりが良く撮れて、縦位置と横位置を考えなくて良いので、割と迷わず直感で撮れるところが気に入ってますね。

大月:ハッセルブラッドも偶然ですがスウェーデンですね(笑)
かくたさん:そうですね(笑)

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写真集に込めた思い

Q タイトルに込められた意味は何ですか?

MOI MOIはフィンランドの挨拶で、一番最初に覚えた言葉。響きが可愛いなと思って。口に出して言いたくなるというか。それですごい気に入ってる言葉です。あと私は英語がそこまで得意ではないのですがこの挨拶でなんとか今までやってこれたので(笑)

「そばにいる」は、今回は動物の写真が多いので動物の気配だったり、向こうの人ってけっこうトロールとか北欧神話とか、ちょっとファンタジックなものを信じているところがあるので、なにかそういう目に見えないものもそばにいるかもという意味も込めて、何かの気配を表す言葉として選びました。

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Q  あとがきに書かれている「フィンランドは仕事より暮らしに重きを置いた生活をしている」と感じた瞬間はどんな時ですか?

一番最初は10月で秋ということもあって閑散としていたのですが、2回目に6月の夏至の時に行って、夏だから大人も子供も公園で夜遅くまでごろごろしていて、こののんびりした感じは何だろうと思って(笑)

ゆったり夏休みを過ごしているというその雰囲気と、湖で魚釣りをしているおじさんに私が1週間バケーションで来ていると言ったら、「何だその短いのは! こっちは2か月だよ!」とびっくりされて。それで大人も普通に2ヶ月ぐらい休むんだと知って。どんどん向こうに通ううちに、知り合いの人たちから聞いた話で、大人が休んでいる間に大学生とかのバイトを入れて、社会的には仕事はまわってるんだけど大人は休めるシステムをちゃんと作ってるっていう。

自然のなかで家族で過ごすというのをみんなが夏休みにやっているので、あえて海外旅行へ行くことをせずに、ゆったり湖のほとりで過ごしたりしてるのが良いなと思って。

Q 今回の写真集ではほとんどの写真にキャプションがついていますが、何か意図があったのですか?

そうですね、撮った場所とかちょこっと説明は入れたいなとは思っていたんですけど、そしたら出版社の方が「かくたさん言葉が面白いから全部コメント入れたほうが良いよ」と言われて、それで書くことになったというノリです(笑)

やっぱり、写真で伝わるでしょと思っている部分もあるんですけど、言葉で説明が書いてあるのとないのとではあった方が正確に理解してもらえるのかなと。

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さいごに

Q かくたさんにとってフィンランドはどんな場所ですか?

リフレッシュできる、落ち着く場所ですね。私も田舎育ちなので、自然に囲まれている方が落ち着きます。空気もきれいだし。

Q 最後にヒュゲリニュース読者の皆様にメッセージをお願いします。

写真集に写っている場所はそんなに行きにくい場所ではないので、みなさんもぜひ現地に、同じ場所に行ってみてください。本当に綺麗なので。

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とても穏やかに丁寧にお話ししてくださるかくたさん。今回のインタビューを通して、彼女の写真は彼女の人柄も表しているかのようにも感じました。素敵な写真集なので皆さんもぜひ書店で手にとって見てみてください。きっとお気に入りの一冊になるはず!かくたさんの個展も全国で開催予定です。

 

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*MOI MOI そばにいる刊行記念個展*

2月23日 – 4月16日 渋谷Bunkamura ナディッフモダン

3月17日 – 4月3日 香川県高松 BOOK MARUTEギャラリー

4月19日 – 5月8日 名古屋 ONREADING

5月12日 – 5月31日 神戸 iibaギャラリー

7月1日 – 7月16日 徳島 uta no tane

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かくたみほ

1977年三重県鈴鹿市生まれ。

スタジオLOFTスタジオマンを経て、写真家小林幹幸に師事後独立。

ライフワークとしてフィルムカメラを片手に北欧から南米まで旅をしながら写真を撮っている。

HP :  http://mihokakuta.com