ヒュゲリなコラム

「オンネリとアンネリ」シリーズ翻訳者が語る、ちょっとしたウラ話と魅力とは

フィンランドで長く愛されている児童文学『オンネリとアンネリのおうち』の映画版が、いよいよ日本でも公開ですね。

映画化記念として、原作の翻訳者である渡部翠(わたなべみどり)さんのトークイベントが開かれました。原作者とも交流のある渡部さんが語る、「オンネリとアンネリ」シリーズのウラ話と魅力とは?

『オンネリとアンネリ』キャラクター制作秘話

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フィンランド文学を数多く翻訳してきた渡部さん。気さくで素敵な方でした。
ムーミンの原作者トーベ・ヤンソンさんと何度も朝まで飲み明かしたり、別荘に滞在したり(!)したこともあるとか。

「オンネリとアンネリ」シリーズは4つの作品で成り立っています。現在、渡辺さんは『オンネリとアンネリのおうち』と『オンネリとアンネリのふゆ』に続き、3作目を翻訳されています。

シリーズの登場人物は、原作者のマリヤッタ・クレンニエミさん自身や、イラストを手がけたマイヤ・カルマさんなど、身近な人をモデルにしているようです。たとえば、魔法が使える陽気なご近所さんのプクティーナ・ノッポティーナ姉妹などは、若い頃のマリヤッタさんとマイヤさんをそれぞれ描いたキャラクターだそうですよ。

渡部さんも本に登場!?

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実は、『オンネリとアンネリのふゆ』の1ページにはマリヤッタさん、マイヤさんと出会ったころの渡部さんの似顔絵が描かれています。今回公開する『オンネリとアンネリのおうち』ではありませんが、ぜひ「ふゆ」の方も読んでみてくださいね。

マリヤッタさん、そしてマイヤさんは現在亡くなっており、彼女らと交流のあった渡辺さんは「本当は、彼女たちが生きているうちに作品をわたしが翻訳したんだよって伝えたかった」と語ります。ですが「いまでは、自分が生きているうちにこの作品を翻訳できてよかったと思っているんですよ」と続け、筆者も心があたたかくなりました。

翻訳者が語る、「オンネリとアンネリ」の魅力

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翻訳者から見た『オンネリとアンネリ』シリーズの魅力、それは登場人物の「独立心」と「自分をしっかり持っているところ」。小さな女の子がそれぞれの家を出て2人だけで暮らすというストーリーは、この物語を生み出したフィンランドという国の人に共通する強さが現れていてとっても魅力的なのですよ、と渡辺さんは語ります。

『オンネリとアンネリのおうち』映画もまもなく公開です。とってもかわいい映画なので、ぜひ観てみてくださいね!

(写真:Mika)