今までこのブログで取り上げてきたスウェーデンの広告は、カンヌで好評のものだったり、私が個人的に気に入ったものばかりなので、スウェーデンの広告に対してポジティブなイメージをお持ちの方は多いかと思います。
というか、そもそも日本で「スウェーデン」という国はあまりネガティブに語られることはないですし、デザイン、雑貨、カフェなどなどほんわかしたイメージが主ですよね(「ドラゴン・タトゥーの女」を見るとスウェーデンのイメージがガラっと変わると思いますけど)
ということで、今回はいつものトーンを変えて、ここ数ヶ月、ちょっとネガティブな意味で話題になっているスウェーデンのCMをご紹介したいと思います。
広告主は、Siba(シーバ)というスウェーデンの家電量販店。昨年のクリスマスシーズンに流れた問題作が、コチラ。
みなさん、どんな印象を持ちましたか?
スウェーデンでは、FacebookやTwitter、業界誌などで「クリスマスの雰囲気が台無し!」という文句など、主に不満の声が多くあったそうです。
言葉がわからなくても、この画面のうるささと男性の存在のうるささは十分伝わりますよね。
「スウェーデン人って、大人しくて控えめで、クールな人ばかりなんじゃないの?」と思ったら大間違いです笑
実はこの男性、Sibaの創業者の孫で現CEOのファビアンさん。
「ファビアンの世界」というタイトルでシリーズ化されているCMなんですが、価格競争が激化している家電業界を面白おかしく表現することを目的として昨年3月からシリーズの放映が始まったようです。
まぁ確かにクリスマスは量販店にとって一番の稼ぎ時というのはわかるのですが…これはちょっとひどすぎるのではないでしょうか…。
トップダウンで一方的でうるさくて押し売り的で…。
エンゲージメントとかソーシャルとかインタラクティブとか叫ばれている中で、逆にこんなCMを流せちゃうってのは、「ある意味スゴイ!」と評価すべきなのでしょうか…。
そんな世間の反応を見て、Sibaはつい先日、新たなCMを流しました(残念ながらYouTubeからは削除されています)。
CEOの態度が激変している問題作パート2はBryan AdamsのPlease Forgive Me(私を許して)という曲。
元ネタを知っていても知らなくても、おふざけにしか見えない…。反省しているとはどうしても思えない…。
前回のCMを反省している風に見せているところは、ソーシャルメディアなどの消費者の声に対するフィードバックと捉えることもできる?
ということは、インタラクティブなCMといえるのか…?(それとも、非難されることを想定した上で、すでに制作されていたのでしょうか)
どうみても、この「ファビアンの世界」CMシリーズが、Sibaのブランディングにプラスに働くとは思えないのですけど…。