夏だからビール飲みたいよね!という短絡的な発想に基づきお届けしている北欧のビール特集。
今回はデンマーク在住のレアケさんに、現地でのビール事情についてお話を伺いました。
北欧諸国の中ではドイツに近いということもあり、最もビールが飲まれていそうなデンマークですが、実際のところはどうなのでしょうか?
とても中身の濃いインタビューになりましたので、Carlsberg(カールスバーグ)でも飲みながら是非最後までお楽しみください!
もくじ
デンマークでのビールの飲まれ方について
-まずはじめに、レアケさんはビールを飲まれますか?また、周りのデンマーク人の方々はいかがですか?
私はビールがとても好きです!
周りのデンマーク人もほとんどみんなビールは飲んでいます。飲まない人は少ないので、ビールを飲まないデンマーク人に出会うと、「何で飲まないの?」と聞くことが多いです。
知り合いの中で言うと、「好きじゃない」という理由で飲まない人が1人か2人、その他の飲まない人はほとんど宗教(イスラム教とか)を理由に飲酒自体しない方です。また、「健康のために飲まない」という人もいますが、そういう方はたいてい妊娠している方です。
ビールを飲まないという人の方が普通ではないと感じるほど、皆さんビールを飲まれます。
-デンマークでは、ビールはどんな時に飲まれるものでしょうか?スウェーデンでは、夏のバーベキュー時に、あるいは会社帰りに一杯、と伺いました。デンマークではいかがですか?
私はパーティーや食事の時に飲んでいます。若い人はスーパーで安いビールを買って家でホームパーティーをすることも多いですが、一方でバーなどで飲む方も多いです。もちろんスウェーデンと同じく、夏のバーベキューやピクニックでも飲みます。
昔は会社帰りにビールが飲まれることもありましたが、今はほとんど、そういうことはないようです。金曜日は会社帰りに一杯飲みますが、日本のように平日に会社の仲間と飲むこともありません。そもそも、平日にバーなどで酔っぱらうことがあり得ません。(兄は日本で一緒に旅行した際、平日に酔っぱらっているサラリーマンがいるのを見て、とてもびっくりしていました。)
大学では金曜日にバーがひらかれます。それぞれの学部で学生がボランティアでバーをしています。例えば、アジア言語学部でバーがあって金曜日に一緒に勉強している人とパーティーしています。でも他の学部のバーに行っても大丈夫!そういうベントもほとんどビールやカクテルが売られています。
行事やお祝いの時にもビールが飲まれています。ほとんどのブルワリーが、「イースタービール」や「クリスマスビール」などの季節に合う特別なビールも作っています。一度自分のブログでクリスマスビールについて書きましたので、よろしければ見てください。
-一般的にビールは、どんな場所で飲まれますでしょうか?
ちょっと答えてしまっていましたが、庭、公園、海辺、レストラン、バー、大学などで飲まれています。
-公園や道路など、公共の場所での飲酒はやはり禁止ですか?(スウェーデンはそうだと伺いました)
ほとんどどこで飲んでも大丈夫です。コペンハーゲンのバスでは飲食してはいけません(他の町は知りませんが、多分同じ)。そして教会など、宗教の聖地でもアルコールはダメです。
上記した通り、公園や、道路、電車、海辺などの公共の場所は飲んでもいいし、夏にはよく飲まれています。簡単に言うと、飲食がOKな場所であれば、飲酒をすることも問題ありません。
デンマークでよく飲まれているビールについて教えてください!
-デンマークビールといえばCarlsbergが世界的に有名ですが、実際デンマークの方はよく飲みますか?
デンマークのCarlsbergとTuborg(ツボルグ)は、やはり世界でも有名だと思います。海外ではCarlsberg社は普通のピルスナーで知られていますが、デンマークではいろんな種類のビールが売られています。Jacobsen(ヤコブセン)という高級ビールのシリーズも作っています。
他の大きいビール会社はHarboeとFaxeがあります。
でも最近は大きいブルワリーのビールが普及しているだけじゃなくて、マイクロブルワリー(地ビール)もスーパーとかで増えています。一方で海外の高級ビール(Leffe、Hoegaardenとか)も増えています。日本のアサヒやキリンのビールが買えるスーパーもありますよ!
つまり、デンマークで飲まれているビールは多様化していて、必ずしもメジャーな会社のビールだけが飲まれているわけではありません。
値段もかなり違います。スーパーで最も安いビールは、1本で1DKKもしませんが、地ビールや特別なビールは普通の大きさのビンだったら15DKKから30DKKもします。Carlsbergのピルスナーは、多分5DKKぐらいです。
-その他にレアケさんが好きなビールがあれば教えてください。
私はデンマークの地ビールを1番飲んでいます。おすすめのブルワリーは実家の近くにあるSkovlyst(スコウ・リュスト)です。
他に美味しい地ビールは、コペンハーゲンのNørrebro’s bryghus(ヌアブロス・ブリュグフース)やMikkeler(ミッケラー)、Sjælland(シェラン)島の地ビール、Fyn(フュン)島の地ビールなどです。
Jylland(ユラン)半島のFuglsang Bryggeri(フールサング・ブリュガー)にも、東のBornholm(ボーンホルム)から北のSkagen(スカーゲン)までいっぱいあります。現場に行くとレストランもしているブルワリーも多いです。デンマークにいらっしゃる方にお勧めです!
海外のビールはErdinger(エアディンガー)、Leffe(レフェ)やFranziskaner(フランツィスカーナー)などのドイツやベルギーのビールをよくいただきます。
-ビールを飲む時に食べるものといえば、デンマークではなんですか?
デンマーク人は飲む時に食べるより、食べる時に飲むと言えるかもしれません。バーなどでビールを飲む際は、つまみはほとんどピーナツやポテトチップスで終わり。
また、美味しいビール(質のいいビール?)はワインのように食事と飲まれるので、たとえばSmørrebrød(スモーブロー)のような伝統料理をいただきながら飲んだりもします。
ビールにまつわるエピソード
-ビールにまつわる面白いエピソードがあれば教えてください!
北欧は税金が高いのが有名です。スヴェーデン、ノルウェー、デンマークも各国にアルコールの税金もあります。ノルウェーは1番税金が高いので、ノルウェーの人はスヴェーデンに買い出しにいきます。そしてスヴェーデンよりデンマークの方が税金が安いので、スウェーデンの人はデンマークに買いに来ます。でもデンマーク人はそれで満足できなくて、税金がもっと安いドイツに買いに行ってしまいます。
そして、日本と全く違うという意味では、デンマークではかなり若いうちからビールを飲んでいます。ビール(強いアルコールじゃなくて)は16歳からスーパーで買えます。(クラブでは18歳から、バーは21歳から)
だから20代のデンマーク人が同世代の日本人と飲むと、日本人があまり飲めないことに少し驚きます。私も初めて日本に行ったときは18歳なので、デンマークでは既にビールを飲んでいたのですが、日本ではどこにいっても飲ませてもらえず、ちょっと悲しい思いをしました(笑)。
デンマークのリアルなビール事情もこれでバッチリ!
レアケさんの話を読む限り、やはり予想通りデンマークではかなりビールが飲まれ、多様な需要に応えるだけの様々なビールも揃っているようですね。
スウェーデンと明らかに違うのは、道路や公園でも飲酒が可能というところでしょうか?
紹介して頂いたビールの値段も、デンマークの方がお手頃価格で手に入れることが出来そうな様子。
北欧とひとくくりにできないそれぞれの事情が伝わってきました。
逆にスウェーデンと同じなのは、なるべく安い税金でビールを買う為に、スウェーデンの人もデンマークの人もあちこちに買い出しに奔走しているということでしょうか(笑)。
でもCarlsbergで5DKKということは、せいぜい約90円です。日本人にしてみれば「安っ」と感じてしまうのですけどね!因みに日本で買うとCarlsbergは1本230円くらいのようです。
それにしてもこの猛暑の中、毎日ビールについて、飲まずに記事だけ書いている自分は、もしかしたらドMなんじゃないかと錯覚しそうです。
そろそろ飲みたい・・・!みなさんもそうですよね?
ということで来週は、編集長に日本で飲める北欧ビールの飲み比べをしてもらいます!いくつか紹介してもらって、一番美味しそうなビールを我々も飲みましょう!それでは乞うご期待!