今や世界各地で「くさいくさい!」と話題になり、日本のテレビ番組でも罰ゲームで使われてしまうようになった世界一臭い食べ物シュールストレミング。この前も紹介した通り、その匂いは納豆の20倍、くさやの6倍というほど。本場スウェーデンにおいてさえも、アパートの階段に放置されたシュールストレミングから匂うヒドイ悪臭に、不安を覚えた近所の方が警報を鳴らし、消防車と警察が駆けつける騒ぎがあったほどです!
いやー、恐ろしいですね。まさに生物兵器。
そもそもシュールストレミングって何?って疑問を持っている方もたくさんいると思います。実は、発酵に発酵を重ね、缶詰の中でも発酵をし続け、これ以上やめて!と思うほど発酵させられた塩漬けのニシンです。シュールストレミングとはスウェーデン語でsurströmmingと表記し、sur(スール)は「すっぱい」、strömming(ストレミング)は「バルト海ニシン」のことを指します。
いくつかのメディアでは、「スウェーデン人がこよなく愛するシュールストレミング」「スウェーデン人はこんな臭いものが好きなのか?信じられない」などのコメントも見受けられますが、彼らも好きではありません(笑)。今までに何百というスウェーデン人に会い、話をしたことのある私の経験からいうと、北スウェーデンでは好んで食べられることもままありますが、20代半ばから下の世代に至っては「まずい」「食べたことがない」という人の方が大多数です。
そのシュールストレミングを、私が所属するスウェーデンをこよなく愛する「ある臭いもの好きな一団」が仲秋の満月の下で食すというイベントが、先日大阪の某所でひっそりと行われました。以下、その様子をご報告します!
みなさんもこの投稿を読んでこられてご想像が付くように、シュールストレミングはその匂いの臭さと塩辛さから、シュールストレミングを単体で食すことは、ほぼありません。それは、洗練されたシュールストレミング好きのスウェーデン人のみが可能な、スーパー上級な食べ方です。
ビギナーには初級レベルである、tunnbröd(トゥンブルゥド)というトルティーヤのような薄いパンにマッシュポテト、みじん切りした玉ねぎ、トマトなどを、小さく切ったシュールストレミングとともに乗せ、巻いて食べるというのがオススメです。
しかし、今回はシュールストレミング経験者もいるということで、具材は同じですが、パンの種類の違いとシュールストレミングのかけらが大きくなった中級レベルのオープンサンドでいただきました。
食べた感想は彼女たちのリアクションからご想像ください(笑)。
味は塩辛く、食感はにゅるにゅる、匂いは公衆の面前で表現するのは憚られるようなものの匂いで、臭いもの好きな一団には喜ばしい一夜でした。
今まで体験したことのないほど“臭い体験”をしたい方!ぜひ一度シュールストレミングでスウェーデンの臭い一面(笑)も見てみてはいかがでしょうか。