今日は、サッカーデンマーク代表のピエール・エミール・ホイビェルク(Pierre Emile Højbjerg)選手を紹介します。
画像:Fodboldtalenter uddannes nu som hele mennesker – Politiken.dk
彼は、わずか17歳でドイツの超名門クラブ、バイエルン・ミュンヘンでデビューを果たした超大物ルーキー。そして、先日お伝えしたスウェーデンとの試合で代表デビューを果たし、監督にも「私は14年間指揮を執ってきたが、これほど将来を期待できるプレーをみせた選手はそうはいない」と言わせました。
しかし、実は彼にとって今回のスウェーデン戦は、自身の代表としての未来以上に特別な意味があったのです。
それは、亡き父に捧げるデンマーク代表としてのデビュー戦だったということ。1年前に、ずっと一緒に暮らしてきた父親が胃ガンを宣告され、今年の4月半ばに亡くなってしまいました。ヨーロッパのクラブナンバーワンを決める大会、チャンピオンズリーグの準決勝が迫っていましたが、父との最後の対面を果たすために、彼はデンマークに帰国し、その代わりに試合への出場は断念しました。
彼は、インタビューでこう話しています。
「最後に父を見たのは2ヵ月半前です。僕が病室を出て行くとき、父はこう言いました。お前がスウェーデンを相手にプレーするところが見たい。そうなれば上出来だな、と」
そして出場した彼の代表デビュー戦。その才能をデンマーク、スウェーデン両国に見せつけました。
「父が見てくれていたのは知っています。僕は彼のためにこの試合を戦いました。少し泣きそうだったし、悲しい思いもありました。いまは彼が、僕のプレーのいちばんの原動力です」
亡き父の思いを背負い、これからますます活躍してくれるでしょう。
参考:
Fodboldtalenter uddannes nu som hele mennesker – Politiken.dk