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フィンランド・デザインブーム、関西で再熱!!
Moi!前回、兵庫県立美術館で開催された「フィンランドのくらしとデザイン−ムーミンが住む森の生活展」に引き続き、大阪市立東洋陶磁美術館で現在開催中の「森と湖の国 フィンランドデザイン展」に行ってきましたmichiyoです。そのときの様子をレポートしたいと思います!
「森と湖の国 フィンランド・デザイン」展のみどころ
この「森と湖の国 フィンランド・デザイン展」では、フィンランドの美しいガラスと陶磁器の作品約150件(約400点)を紹介しています。フィンランドの美しい自然と風土は、デザイナーにとって創作する上で多くのインスピレーションを与えてきました。そんなフィンランドデザインの魅力を、18世紀後半から現代に至るまで、5つの章に分けられ、時代を追って観ることができます。
本記事では、その時代に活躍し、フィンランドデザインに大きな影響を与えた主なデザイナーをご紹介します。
「フィンランドデザインの父」アルヴァ・アアルト
展覧会会場入口にどどーんと 登場するのは、ご存知!アルヴァ・アアルトの作品です。この「アアルトの花瓶」は1937年のパリ万博に出品され、世界的な評価も得ました。アアルトの代表作の一つとして、現在も生産され、根強い人気を誇っています。製造の過程で使われる木型や吹きガラスの棒も展示されているので、この独特のフォルムのガラスがどのように作られるか窺い知ることもできます。
また、妻のアイノ・アアルトのデザインしたグラスや、共同で制作した作品も展示されていました。作品には二人のサインが並んで入れられ、仲の良い夫婦だったことがわかります。
「フィンランドデザインの良心」カイ・フランク
上の写真はカイ・フランクの代表作、「キルタ(後にテーマ)」です。彼は、当時過剰に装飾されがちであったディナーセットを、機能面から見直し、それまでの食器のイメージと異なった画期的なフォルムは“キッチンの改革”とまで称されました。シンプルだけど、デザイン性の高い生活用品を作り、一般市民の生活に潤いをもたらしました。
更に彼は前述したように、日常使いの実用的なデザインで有名ですが、そのほかにアート・グラスや一点物の作品も作り続けていました。上の写真の左の作品は「クレムリンの鐘」というジュース・デカンタ、写真の右の作品は雄鶏の形をしたデカンタです。どちらも自作の作品に、より自由な要素を取り入れています。
「木とガラスの詩人」タピオ・ヴィルッカラ
この作品はタピオ・ヴィルッカラ「カンタレッリ(アンズダケ)」です。この花瓶はフィンランドの森に多く生息するキノコをモチーフとしています。
タピオ・ヴィルッカラはガラスをはじめ、陶器、金属器、照明器具、グラフィック・アートなど幅広い分野で活躍しました。その作風はフィンランドの自然をデザインに取り入れ「木とガラスの詩人」と称されました。自然の美しい造形をそのままに、さらには隠れていた魅力までも引き出すようなデザインが特徴的ですね。
「世界で最も美しい作品」ティモ・サルパネヴァ
この作品はティモ・サルパネヴァの「蘭」シリーズで、『アメリカン・ハウス・ビューティフル・マガジン』誌で「世界で最も美しい作品」と紹介されたことがあります。本当に美しく洗練されたフォルムに思わず息をのみます。
また、上の写真の中央の作品はティモ・サルパネヴァの「i」ガラスと呼ばれるシリーズで、この作品にイッタラのおなじみのロゴが初めて使われました。元々はこのシリーズのために作られたロゴが後にイッタラのロゴとして使われるようになったそうです。
画像: ittala
「色彩豊かで心弾む造形」オイヴァ・トイッカ
展覧会会場でひと際目立つこのオイヴァ・トイッカの作品「トナカイの集会」は春の祭りを表しています。カラフルな作品で、ガラス製造の技術を惜しみなく発揮しています。見ているとなんだか楽しくなってしまう作品です。
こちらは、現在も生産されているオイヴァ・トイッカの「霧のしずく」です。草についた朝露の美しさからヒントを得たそう。普通だと見過ごしそうな身近な自然をもモチーフにしてしまう温かな視線が素敵ですね。
ここでは紹介しきれませんでしたが、この他にもフィンランドデザインにおいて重要なデザイナーの作品などまだまだたくさんあります。きっとあなたのお気に入りのデザイナーや作品が見つかりますよ。
「フィンランド・デザイン展」特設ショップも充実!
今回の「フィンランド・デザイン展」では、特設ショップが出口ではなく、なんと展覧会の途中にありました!これには驚きです。と、いうのは私の勘違いだったようで、普通に出口にありますよ、とのご指摘をいただきました。すみません!
展覧会でも紹介されていた作品で、現在も製造されている「アアルトの花瓶」(アルヴァ・アアルト作)や「霧のしずく」(オイヴァ・トイッカ作)も販売されていました。これは、ほしくなっちゃいますね〜。
みんな大好きムーミン!のグッズも盛りだくさんですよー!
美しいフィンランドデザインに酔いしれたり、ショップでフィンランドのグッズも購入できたり、大満足♫充実した展覧会となっています。
展覧会鑑賞後は、どこかヒュゲリなカフェでフィーカして、展覧会の余韻に浸りたくなりますよね。でも、まだ美術館を出てはいけませんよ!「フィンランド・デザイン展」鑑賞後、フィーカするのにおすすめしたいのが、大阪市立東洋陶磁美術館内にある「喫茶サロン」です!
フィンランドのカップでコーヒーが飲める!
なんと、この「喫茶サロン」では、「フィンランド・デザイン展」会期中フィンランドの陶磁器メーカーの「イッタラ」や「アラビア」のカップとソーサーでコーヒーを楽しむことができるんです!
フィンランドと言えばベリー!ということで、ブルーベリーのケーキもあります♫
「作品を鑑賞した後に、実際に手に取り、使ってみてほしい。」という美術館の思いが感じられます。今回の展覧会に限らず、大阪市立東洋陶磁美術館では、展覧会に合わせた食器で提供しているそうです。過去に開催されたマイセンの展覧会では、マイセンの食器でお茶を楽しめたんだそう。これは知りませんでした!美術館に行く楽しみが増えますね♫
この展覧会は、現在開催中〜7月28日までです。会期はまだまだありますが、油断していたら、気付いた時には会期終了!…なんてことにならないように!お見逃しなくー!
割引券をゲットしよう!
この展覧会に興味を持たれた方は、ぜひ大阪市立東洋陶磁美術館の「森と湖の国 フィンランド・デザイン展」公式サイトにて割引券もゲットしてくださいねー!一般だと200円、高・大生は100円安くなります!そちらもぜひチェックしてみてください!→割引券はコチラ!
[イベント情報]
◎森と湖の国 フィンランドデザイン
期間:2013年4月20日(土)〜7月28日(日)
場所:大阪市立東洋陶磁美術館
住所:大阪市北区中之島1−1−26
※開館時間や料金は大阪市立東洋陶磁美術館HPで確認してくださいね!