北欧デザインと聞いて、みなさんがぱっと思いつく国はどこですか?デンマーク?スウェーデン?それともフィンランド?同じ北欧と言っても、まずノルウェーを思い浮かべる人は少ないのではないでしょうか。
…だからと言って、ノルウェーに優れたデザインが存在していなかった訳ではありません!実はノルウェーにも、ほかの北欧諸国に負けない、世界に通用する数々のデザインを生み出してきた時期があったのです!
もくじ
ノルウェーのヴィンテージデザインが東京に集結。
そんなノルウェーの黄金期と呼ばれる1940年~75年代のデザインにスポットを当てた展覧会「NORWEGIAN ICONS(ノルウェージャン・アイコンズ)」が6月21日から7月7日まで東京で開催されます。
なぜノルウェーデザインは忘れ去られてしまったのか?
黄金期のノルウェーでは革新的なデザイン家具やプロダクトが生み出され、国際的なデザインアワードでの受賞や、優秀なデザイナーの輩出など、華々しい時代が存在していました。しかし、その事実は次第に忘れられ、ノルウェー国内ですら知る人も少なくなってしまいました。
ノルウェーのデザインが語られなくなった理由に、北海油田の発見が挙げられます。それまで貧しい国だったノルウェーはこの発見をきっかけに、安定した原油収入を得ることができ、豊かになりましたが、そのため輸入頼みで自国のデザイン産業の重要度が下がり、皮肉なことにデザインビジネスは衰退の一途をたどることとなりました。
ノルウェーデザインの価値を取り戻そう!
写真: FUGLEN TOKYO(フグレントウキョウ)ウェブサイト
現在の北欧デザイン界において存在が小さくなってしまったノルウェーデザインを国内外に発信しようと立ち上がったのが、カフェFUGLEN(フグレン)とアートディーラーのBromqvist(ブロムクヴィスト)です。彼らが「NORWEGIAN ICONS」を立ち上げ、本展覧会を企画しました。
FUGLENは以前北欧ヒュゲリニュースでも取り上げています。(渋谷にもあった!本物のヒュゲリを体験出来るオススメの北欧カフェをご紹介。)オスロで1963年創業の老舗カフェで、コーヒーとカクテル、ヴィンテージ家具・インテリアを融合したライフスタイルを提案しています。海外初となる店舗が2012年東京にオープンし、話題となりました。
Bromqvistは、1870年に設立されたスカンディナビアで最も古いアートディーラーで、エドヴァルド・ムンクを初めて扱ったことも知られています。近年ではノルウェーデザイン・工芸のオンラインオークションとクラシックオークション、そしていくつかの現代的な展示会に力を注いでいます。
見るだけじゃなく、なんとその場で買える!
「NORWEGIAN ICONS」は今年の1月、オスロで開催した初めての展覧会で、ノルウェー国内で大きな反響を呼びました。東京の後は10月にニューヨークへ巡回されます。東京展では約100点のヴィンテージ家具、インテリアアイテム、アート、リプロダクションされた名作が一同に展示、販売されます。
名作デザインをちょっとだけご紹介
ハンス・ブラットルゥの《スキャンディアジュニア》は、背もたれを8本の薄い曲げ合板にすることで、一体型の合板では作りづらい形を実現しました。カラー展開やバリエーションも豊富で、さまざまなシーンに対応可能なところも魅力の一つです。
写真はノルウェーのホーローメーカーCATHRINE HOLM(キャサリンホルム)のデザイナー、グレーテ・プリッツ・キッテルセンの《キャサリン》です。見たことがある方も多いのではないでしょうか?蓮の葉をモチーフにしたこちらのロータスシリーズは、現在でも人気のあるキッチン用品です。
ここまでご覧いただきましたが、ノルウェーデザインに興味が沸いてきましたか?私はノルウェーのデザインが一同に見られるまたとない機会に、今からとても心弾んでいます!
北欧ヒュゲリニュースは内覧会に潜入する予定です。みなさまに展覧会の模様をいち早くお伝えしますので、ご期待ください!
[Information]
◎NORWEGIAN ICONS(ノルウェージャン・アイコンズ)
期間:2013年6月21日(土)~7月7日(日)
場所:ヒルサイドフォーラム & ギャラリー
住所:東京都渋谷区猿楽町 18-8 ヒルサイドテラス
※詳細はオフィシャルサイトをご覧下さい。