今までのやり方を「ITで効率化する+無駄な経費を減らす+環境に配慮する」ために、2014年11月1日からデンマークでは国から受け取る郵便(納税に関する書類など)を、紙ではなく「e-Boks」というウェブサービス/アプリを使って管理する取り組みが始まります。とはいえ、デンマーク社会の全ての領域で「デジタル化」が問題なく進んでいるわけではありません。
例えば、ある保育所ではアプリやイントラネットを使って保護者と保育士とのやりとりを効率化し、子どもをケアする時間を増やす取り組みが広がり始めています。
画像:Digitalisering giver pædagoger mere tid til børnene | Nyheder | DR
保育所にある「連絡ボード」がデジタル化されることで、保護者はいつでも保育所からの連絡をアプリ内で確認することが出来ます。また、保育士が撮った写真をスマートフォンなどのモバイルデバイスから確認出来ることで、「今日は何をしていたのですか?」と、全ての保護者から同じように尋ねられる質問に回答する必要がなくなります。
デジタル化に対しては保護者・保育士とも反応は上々のようですが、まだ積極的になれない保育所も多く、デジタル化を進めている保育所はデンマーク全体の25%にも満たないようです。保育士からは「時間が節約できる」という意見も出ていますが、システムを導入することで「今以上に忙しくなってしまう」ことを懸念している所が多いようです。
“無駄な”コミュニケーションをデジタル化して効率的にした結果、今回のケースで言えば「保護者と保育士の間のコミュニケーション」までなくなってしまわないよう気をつける必要があります。国策としてデジタル化を進めるデンマーク。ITを利用した新しいコミュニケーションの形に慣れることが、今後より一層求められる社会になりそうです。
参考:
Digitalisering giver pædagoger mere tid til børnene | Nyheder | DR
e-Boks