フィンランドに行ったこと、ありますか?
ちょっぴり冷たくて透き通った空気に、太陽を反射してきらきら光る湖、風にゆれて優しい音を立てる森の木々・・・。
そういえば日本の秋晴れの日の空気って、フィンランドの夏の終わりによく似ていると思います。
そんなフィンランドではすでに冬の兆しが見えてきているようですね。
今日は、日本にいながらフィンランドを感じることができる、わたしのおすすめの本を3冊紹介したいと思います。
もくじ
わたしのマトカ 幻冬社
映画「かもめ食堂」ファンなら言わずと知れた、女優の片桐はいりさん。
フィンランドを舞台としたこの映画の中で、片桐はいりさんは小林聡美さん演じるサチエを手伝って、一緒にかもめ食堂を切り盛りするミドリ役として出演されていました。
「わたしのマトカ」は、フィンランドでの約1ヶ月半にわたる映画ロケの間の思い出が中心に綴られた、片桐はいりさん初のエッセイです。
フィンランドに関する知識がほぼゼロのまま、ロケ地であるフィンランドの首都ヘルシンキへ向かった片桐さん。
現地で出会うフィンランド人との交流や街の散策、旅を通して、少しずつフィンランドの魔法にかかっていきます。
このエッセイの魅力は、なんといってもそこに登場する個性豊かなフィンランドの人たち。
不器用でシャイだけど、心優しくて、のんびりしていて、でもちょっぴりズレてて、なんというか、わたしたちが思い描くザ・フィンランド人!なんです。
読み終わった後は、まるであつあつのサーモンスープを飲んだあとみたいに、幸せな気持ちでいっぱいになります。
片桐さんのユーモアが効いた文章も最高です。
フィンランド語は猫の言葉 猫の言葉社
えっ、どういうこと?
そんな風に思った方も多いのではないでしょうか。
なんともユニークなタイトルのこの本は、まだ日本でフィンランドという国がよく知られていなかった1970年代の終わりにヘルシンキ大学へ留学した、著者の稲垣美晴さんによるユーモアたっぷりの留学記です。
この作品は、主にフィンランド語という「ことば」に焦点を当てて書かれた本。
著者の稲垣さんがフィンランド語と格闘(?)した日々を、ユーモアを交えてとても楽しく描いてあります。
フィンランド語は、格変化が15個もあるという、学習者泣かせのなんとも恐ろしい言語です(例えば、『犬(koira コイラ)』という単語ひとつとっても、文の中における役割によって15種類にも変化してしまいます)。
わたしもフィンランド語をかじり始めて約2年になりますが、たまに原型をとどめないほど激しく変化した単語を見ると教科書を放り投げたくなります。
そんなフィンランド語も稲垣さんの手にかかれば、なんとも魅力的で面白い言語に思えてくるので不思議です(実際そうなんですけどね!)。
読み終わったらフィンランド語を勉強したくなること間違いなしです。
フィンランドのおじさんになる方法。
フィンランドのおじさん。みなさんはどんな人を思い浮かべますか?
もしくは、フィンランドでどんなおじさんに会いましたか?
わたしが思い出すのは、以前ユヴァスキュラ(Jyväskyla)滞在時に3週間自転車を貸してくれた、レンタサイクル屋さんのテームさん。
ユヴァスキュラ出発前日、お礼に「おーいお茶」のティーバックをプレゼントしたら「緑茶大好き!」と大喜びしてくれました。
今でもスーパーで「おーいお茶」を見かけると、テームさんの笑顔と3週間分のお尻の痛みがよみがえってきます(サドルがすごくかたかった)。
「フィンランドには、味のあるおじさんがたくさんいる。」
この本は、ムーミンを研究するために約20年前にフィンランドへ渡った森下圭子さんと、「ほぼ日刊イトイ新聞」の武井義明さんが、フィンランドのおじさんたちを取材して、その人生や日々のくらしについて語ってもらった、とても素敵な本です。
フィンランドのおじさん…ほんとうにカッコいいです。
人生っていいことばっかりじゃない。若い頃には苦労や失敗を繰り返し、苦い思いもたくさんした。
だからこそいま、おじさんたちは「自分にとっていちばん大切なこと」それを見失わないで、大切にして生きていられるんです。
わたしも30年後40年後、そんなおじさん(あ、おばさんだ)になれたらいいなあ。
写真もとっても素敵です。
いかがでしたか?最近はフィンランドに関する本がたくさん出ているので、本屋さんで自分のお気に入りの本を探してみるのもいいですね。
朝晩が冷えるようになってきた今日このごろ、おうちであつあつのコーヒーとあまーいシナモンロールを用意して、ゆっくり読書をすれば、気分はすっかりフィンランド人です!