ヒュゲリなコラム

大事なことは親や友人の話を聞くことではなく、自分が本当に将来何をしたいか考えることである

皆さん、こんにちは。今日はスウェーデンの教育制度にまつわるお話です。

3月まで受験生だった皆さんは、新生活を迎えてひと月が経ち、新しい生活に徐々に慣れてきた頃でしょうか。

さて、日本では高校に入学する時、大半の人が入学試験を受けますよね?それでは、スウェーデンには高校受験というものがあるのでしょうか?

実は、スウェーデンでは高校受験というものは実施されておらず、オンライン出願のみなのです。試験がないのは、羨ましいですよね。ただし、試験以外で大きな悩みがあります。まずはオンライン出願について、詳しくお話しします。

もくじ

オンライン出願とは?

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スウェーデンでは、中学3年生(スウェーデンでは小中学校は共通なので、スウェーデン風に書くと基礎学校9年生)になると、各市町村の高校出願サイトのパスワードが送られてきます。そのサイト上で、各学校に出願し、結果を待ちます。何を基準に選抜されるかというと、9年生の最終成績です。もし、選抜から漏れてしまった場合は、定員に空きがある学校が掲載されるので、再び出願できます。

また、自分が住む市町村に行きたい高校やコースがなければ、他の市町村に出願することも可能です。ただし、その学校がある市町村の住民が優先されます。

試験以外の悩みとは?

スウェーデンの高校は、下記のように大きく分けて3つのプログラムがあり、さらに細かく18のコースに分かれている(導入プログラムは、高校入学資格のない人を対象にしているため、数には含んでいません)ため、出願の時に選択肢が多すぎて迷う人もでてきます。

  1. 大学進学プログラム(経済、芸術、人文、自然科学、社会科学、工学)
  2. 職業プログラム(保育、建築、電気エネルギー、交通、経営、手工芸、観光、工業技術、農業、外食、住宅建築、保健)
  3. 導入プログラム(高校入学資格がない者のためのプログラム)

そのため、高校を選ぶ段階で受験生が参考にするサイトがいくつかあります。

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まず、日本の文部科学省にあたる学校庁(Skolverket)のサイトでは、9つの質問に答えて、自分にどのブログラムが合うのか探せます。

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Gymnasium.seというサイトは、スウェーデン全国の高校情報や高校に入る前の準備について、そして高校の選び方などをまとめています。ここでは、まず最初に次のようにアドバイスしています。

「大事なことは親や友人の話を聞くことではなく、自分が本当に将来何をしたいか考えることである」

誰かのためではなく、自分の人生を生きるために進路を選択するのは、とても重大な決断となるでしょう。ただし、ここで選択を間違えたと思う人がいても、スウェーデンの場合、成人になった後でもやり直し教育が充実しているため、進路を変更することは可能です。

日本では、高校受験の段階でどれくらいの人が将来の仕事を考えて進路選択をしているのでしょうか?試験の結果によって、進路選択をしていませんか?

試験は重要かもしれませんが、自分の人生についてじっくり考える方が長い目で見ると、重要ではないでしょうか。

参考:
Gymnasieantagningen – Gymnasieantagningen
Gymnasievalen
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