こんにちは!『北欧のおいしい話』『北欧のおいしい時間』の著者、森百合子さんにインタビューさせていただきました。
インタビューさせていただいた森さんのお宅は、北欧のインテリアで彩られたおしゃれな古民家。
旦那さんお気に入りのデンマークの照明やカラフルなテーブルクロスが日本家屋とマッチして、なんともヒュゲリな雰囲気を醸し出しています。
—改めてとなりますが、森さんがいま行っているお仕事について教えていただけますか?
私はコピーライターなのですが、偶然フィンランド大使館やスウェーデン大使館との仕事に恵まれて、子ども向けにフィンランドの文化や社会を紹介するサイトを制作したり、ニュースレターでスウェーデンの暮らしを紹介するなど、もともと興味のあった北欧について学ぶ機会がありました。
その後、『北欧のおいしい話』や『北欧のおいしい時間』といった北欧の食を紹介する本を出版し、今年からAll About(生活情報サイト)で「北欧の暮らし」という連載を始めています。
最近はトークショーや雑誌寄稿、監修など北欧関係の仕事が増えてきています。
—いま北欧情報の発信者と言えばまず森さんで、少し間があいて北欧ヒュゲリニュース、と編集長も言っています(笑)。そもそも北欧に興味を持つようになったきっかけはなんだったんですか?
最初のきっかけは友人に誘われて行ったアアルト展※1です。アアルトの建築やデザインを見て、何ともいえない衝撃を受けて、それがずっと心に残って…。
いつか実際にフィンランドに行って、アアルトの建築を見たいと思うようになりました。
1999年から始めたスウィングダンスもじつは北欧との接点になっています。
スウィングはアメリカ発祥のダンスなのですが、スウェーデンで大ブームになり、世界最大級のダンスキャンプが行われたりとダンサー憧れの場所なんです。
実際にはじめて北欧を訪れたのは2005年。アアルトの建築を見て回り、ダンスキャンプにも参加しました。
はじめての北欧の感想は「居心地がいいなあ」ということ。
人がとても親切で、治安が良くて、こんなに緊張しない海外旅行は初めてでした。それから頻繁に北欧を訪れるようになりました。
—アアルトとスウィングダンスが北欧の原点なんですね。本を出すようになったのもそれが高じて?
北欧の食べ物というと当時は情報がすごく少なくて、「北欧の食べ物はおいしくない」とも言われていました。
だけど、実際に訪れてみたらアイスクリームやチーズといった乳製品、さまざまなベリー、コーヒー、パンなどおいしいものがたくさんあって、そしてやはり寒い国なので、煮込みやオーブン料理、スープなど冬の食べものがすごくおいしかったんです。
そのユニークな食文化を伝えたいと思ってはじめはブログを書いていました。
しばらくして出版社と話をしてみたら、トントン拍子で話が進んで、半年くらいかけてまとめました。
—本の中の料理、本当にどれもおいしそうです。取材で印象的だったことはありますか?
ほとんどのお店はとてもオープンでした。
「取材していい?」と聞いたら「なんでそんなこと聞くんだ?断る人なんているのかい?」なんて言われることも。
オスロで人気のカフェを取材した際、店の奥まで案内してくれて、豆をローストしているところを見学させてくれたことも。
いわゆる秘伝の味のように普通だったら秘密にするようなことも、北欧の人は隠すのではなく、いいものをみんなでシェアしていこうという意識が高いんでしょうね。