ヒュゲリなコラム

超楽しそう!!スウェーデンの夏の風物詩「Studenten(ステュデンテン)」とは?

2011年のstudenten
2011年のstudenten

みなさん、Studenten(ステュデンテン)って聞いたことありますか?

これは大雑把に言えば、スウェーデンで高校生が卒業を祝う儀式。学校での卒業式が終わり成績を受け取ったら生徒たちは開け放たれたドアから一斉に外へ走り出します。
飛び出す先は中庭などが多いですが、そこに待っているのは生徒の家族たち!彼らがまだ3、4歳だったころの写真を使ったプラカードと、お祝いのプレゼントを持って待ち構えているのです。 プレゼントはぬいぐるみだったりシャンパンだったり様々。(注:スウェーデンでの飲酒可能年齢は18歳から)

飛び出してきた子供たちに大きいハグをあげて、首からかけられるようにリボンをつけたプレゼントを渡して一緒に写真を撮っているご両親たちの顔をみると、こちらまで顔がほころんでしまいます。

卒業生たちは、学校によってルールは様々ですが、女子が大抵白いワンピース、男子がスーツを着ており、制帽のような真っ白な帽子をかぶっているのがステュデンテンスタイル。

その後はクラス、または友達グループに分かれて大きなトラックやリムジンに乗り込みます。トラックの荷台は開け放たれ、お手製の横断幕や風船、樺の枝で飾られているのですが、このトラックが街中をゆっくりと行進するのです。この車は生徒の親御さんがレンタル料を払って用意するのが一般的なのだとか。専門サイト「studenten」によると、トラックのレンタル料は約10,000クローナ(15万円)。中々の出費ですね…。

このバスに乗った子供たちは卒業の歌を歌ったり、DJに流行の音楽をかけてもらいながら、ビールやシャンパンをまさに浴びながら街中を車で進んでいくのです。

トラックが近づいてくるとその歓声やお酒の匂いですぐわかります!

姿が見える前からその歓声が聞こえてきます!

このように、横断幕にはクラスの名前やスローガンのようなものを書いたり、寄せ書きのような様相です。

実はこのパレード、交通渋滞を引き起こす&若者が泥酔してトラブルを起こしやすいということでここ数年自粛するよう警察が呼びかけていますが、もはや卒業シーズンの風物詩となっているので中々禁止するのは難しいようです。学生にとっても、晴れの卒業の日を友人と大騒ぎして祝える今のスタイルを捨てるのは中々難しいでしょうね。20年前は卒業式で歌を歌って、家族とフィーカしてお祝いだけだった、と今の高校生の親御さん年代が言っているのを聞いたことがあります。時代と共にお祝いの形は変わっていくのでしょうね。

夜になると、着替えを忘れたのかお酒でびっしょり濡れたTシャツを着た若者が地下鉄に乗っているのを見かけるのもこのシーズン。ぜひハメをはずしすぎないように楽しんで欲しいものです。なんたって、この夏の陽気に笑顔全開の子供たちが道行く人に手を振っているのはほほえましいもの。皆さんも、トラックの中から学生さんに手を振られたらぜひ振り返してみてください!