ヒュゲリなコラム

デンマークの教育水準の高さを垣間見たコトバ

デンマークのある高校での授業風景。意見がある時は人差し指をあげて発言を促されるのを待ちます。

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もくじ

「道具が悪いのではなく使い方を教えていないことが問題」

前に北欧現地ニュースで書いた「デンマークの小中27校でハッキング。犯人と驚きの犯行理由とは?」の関連記事を読んでいる時に印象的な言葉に出会ったのでシェアします。

デンマークの中学生がハッキングしてしまうことに対して、市のIT協会トップであるヘンリックさんがこうおっしゃっていました:

ハッキングに対するセキュリティをあげるための投資をしても、次から次にハッキングツールが出てくるので割に合わない。これからの若者達に何が良くて何がダメなのか、何が合法で何が違法なのか、それを教えていかなければならない。

世界規模で見れば、(自分の)利益のためならルール度外視の人や企業も少なくありませんが、同じフィールドで”戦う”のではなく「お互いのことを思いやれる人をつくる」ために、一段上から教育を広げていく必要があるのだなと改めて実感。そしてそれが進められる素地がデンマークにはすでにあるんだろうなと。

世界中でも広がり続けるIT格差

ただ、IT全般がわからない方にとって、IT活用のメリット・デメリットが全く理解出来ない状況なのはちょっと怖いなと思います(昔いた会社の役員の方が「私はITがわからないが、これからはITの時代だ。しっかりとITを活用するように」と言われていたのには正直驚きました。大事なことだとわかっているなら一緒に学びましょうよって笑)。

先月のウォール・ストリート・ジャーナルでも取り上げられていましたが、ITに詳しいかどうかで生まれてしまう「デジタルデバイド」と呼ばれる格差は、世界中で年々広がっています。

21世紀型の教育のありかた?

精神性や人間性は、他人との交流や対話の中で磨かれていきます(デンマークのフォルケホイスコーレの意義をプレゼンしているみたいですね笑)。それは公教育だけでなく家庭と地域が連動して行うべきところでしょう。

その他の「ITを始めとする現代社会を生きていく上で必要な知識や技術」に関しては、いかにテクノロジーを活用*し、子ども達がより良い環境で学べるようにインフラを整備していくのかを、これからもっともっと考え進めていく必要があります。

そんな中で自分に何が出来るのか、何をすべきなのか。自問自答の毎日です。

*インターネットを通じて高水準の教育を誰にでも無償でどこででも受けられるようにする「カーンアカデミー(Khan Academy)」や、HTMLやCSSなどマークアップ言語とPython、PHP、Javascript、Rubyなどのプログラミング言語のコーディング講座を無料で提供している「Codecademy」など

参考:
Elever angriber skolers it-netværk

Global Digital Divide Worsens, World Economic Forum Report Says – Digits – WSJ
デジタルデバイドとは 【 digital divide 】 〔 デジタルディバイド 〕 – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典
Khan Academy
コードの書き方を学ぼう | Codecademy