国内北欧トピックス

5月公開。『真夜中のゆりかご』を観て、あなたは何を思う?

機会をいただき、5月から全国ロードショー予定の北欧サスペンス映画『真夜中のゆりかご』をひと足お先に鑑賞しましたので、ご紹介します。

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本作は、デンマーク出身のスサンネ・ビア氏が監督を、同じくデンマーク出身のアナス・トーマス・イェンセン氏が脚本を務めており、このふたりはアカデミー賞外国語映画賞を受賞した『未来を生きる君たちへ』という作品を生み出した名コンビ(あまり映画に詳しくなく、このような表現ですみません)

舞台はデンマーク。美しい風景とともに、シリアスな物語が展開されます。あらすじをフライヤーから引用しましょう。

敏腕刑事のアンドレアスは、美しい妻アナと乳児の息子とともに、湖畔の瀟酒な家で幸せに暮らしていた。そんなある日、通報を受けて同僚シモンと駆けつけた一室で、薬物依存の男女と衝撃的な育児放棄の現場に遭遇する。一方、夫婦交代で真夜中に夜泣きする息子を寝付かせる日々は愛に満ちていた。だが、ある朝、思いもよらぬ悲劇がアンドレアスを襲い、彼の中で善悪の境界線が揺れ動いていく・・・

幸せの絶頂から突き落とされる刑事がとっさに選んだ行動が波紋を投げ、さらなる衝撃が彼を襲う。湖、川、海と、デンマークの水辺の風景を印象的にとりこみながら、主人公の魂が救済されるまでが、スリリングに、そして情景豊かに描き出されていく。

引用:映画フライヤーより

感想(ネタバレなし)

現代社会が抱える様々な問題をシリアスに表現した本作は、これまで僕がヒュゲリニュースでご紹介してきた北欧映画の中でも、とびきり重く、メッセージをストレートに表現した映画だと感じました。

北欧の映画には、いつでも「あぁ、北欧っぽいなあ」というメッセージが含まれていると思っていて、例えばこれまでに紹介した『100歳の華麗なる冒険』では、一見普通の年老いたおじいさんの過去の豊かさ、波瀾万丈さみたいなギャップを面白おかしく描いていたし『シンプルシモン』では、アスペルガー症候群の主人公が心の中や頭の中で考えている素敵なことを優しく描写していました。

今回はサスペンスということもあり、メッセージが非常に重くて暗く、ストレートに描かれています。映画に登場するDVもドラッグも「日本からイメージする素敵な北欧」にはあまり縁がありませんが、そういうことがあるというのも事実のひとつとして、こういった映画から学ばなければいけないのかもしれません。

もちろん、それは対岸の火事としてだけではなく、日本においてもどこかで今も起きている問題なのでしょう。僕にとってこの映画は、普段なかなか意識しないそういった社会の問題を、ちょっと自分事として考えるきっかけとなるものでした。

もうひとつ、本作では社会全体として大切な子供の命をどう育てるべきか?ということが重要なテーマになっていると思います。主人公がしたある判断が果たして正しかったのか?法律的にはどうか、倫理的にどうか、観る人の立場で主観的に考えてみることができるでしょう。

サスペンス好きな方はぜひ、そう出ない方も、気になる方は劇場に足を運んでみてください!

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[Information]
真夜中のゆりかご
日時:2015年5月15日~
場所:TOHO シネマズシャンテ ほか全国公開
http://www.yurikago-movie.com/