こんにちは!ここ数年、北欧デザインが日本で流行していることは、ヒュゲリニュースを読んでくださっている皆さんならお気づきのことかと思います。中でも北欧の時計ブランドが最近キテることは、皆さんご存知ですか?
スウェーデンブランドDaniel Wellingtonの流行は記憶に新しいですが、SkagenやBERINGなど、一度は聞いたことのあるこれらはすべて、北欧ブランドです。
そして、先日新たに流行間違いなしの北欧時計ブランドが日本にやってきました!その名も「VEJRHØJ(ヴェアホイ)」。今回、ブランド設立者であるヤーヌス(Janus Aarup)さんに直接インタビューさせていただくことができたので、その模様をお伝えします!
1時間以上にわたるロングインタビュー。そのすべてを載せきることはできませんが(笑)、彼の作品に対する情熱と、何でも話してくださろうとする人柄の良さを感じていただけると幸いです。
インタビューの最初はこんな質問から。
大学院の卒業論文では「腕時計と家具」について執筆されたそうですね。どうしてそのようなテーマにされたのですか?
デンマークデザインというのは元々、家具から始まったんです。シンプルで機能性が高くて、というような。ミニマリスティックという言い方もできるかもしれません。そのコンセプトが後に、宝石やテレビ(たとえばBang&Olufsen)などに広がって、デンマークデザインになったんです。だから、そのデンマークデザインの源流を知りたかったんですよね。
なるほど。それがヴェアホイブランドの設立につながっていくんですね。
さて、ヴェアホイのデザインについてお話しいただく前に、デザインにおいて重要な役割を果たしているボンフィス(Bo Bonfils:注)さんとの出会いについてうかがってもいいですか?
(注:ジョージ ジェンセンのデザインなども手がけたことのある有名デンマーク人デザイナー)
ある日、友人の食事会に誘われたんです。そのときに、その友人の彼女がボンフィスの親族であることがわかって、ボンフィスの電話番号を教えてもらったんです。結局そのときは電話できなかったんですけどね(笑)彼は有名ですし、ヴェアホイも立ち上がったばかりで、何をお話ししたらいいかもわかりませんでしたから。
それから半年して、私がサマーハウスで家族といたときのことなんですが。当時、デザインにおいてどうしたらいいのかわからなくて、どうしてもとボンフィスに電話をかけることにしました。ボンフィスは電話を取ってくれたんですが、「今は時間がないんだ。休み中だから」と言われてしまって(笑)
でも話しているうちに、そのとき彼がいる場所と私がいる場所が5kmぐらいしか離れていないことがわかったんです。それで「15分で行くから!」とすぐにボンフィスのもとへ向かいました。
彼も奥さんも、そんな私を丁寧に迎え入れてくれました。結局その日のうちに8時間デザインについて語り、その後日、今度は腕時計のデザインスケッチについてさらに8時間語りました(笑)そして最終的にボンフィスは「よしやろう」と言ってくれたんです。
すごい・・・。お互いのデザインへの情熱が感じられる、運命的なお話ですね。
ヴェアホイの腕時計デザインは船の羅針盤といった、航海器具にインスピレーションを受けていますね?
はい。主にボンフィスが船にインスピレーションを受けたんですね。彼は小さな頃から船に慣れ親しんでいて、船をデザインスタジオにしたりもしているんです。私も自然が好きですしね。ヴェアホイというのは、コペンハーゲンの北西の端にある私の出身地の名前です。自然が豊かで素敵なところですよ。
デザインをつくっていくうえで苦労はありましたか?それとも、けっこうスムーズに?
もちろんとても大変でした(笑)プロトタイプを何度も作り直しますからね。自分はどういうデザインにしたいのか、どうすべきなのかという自分の理想を抱えながらの試行錯誤になります。
そんなときにもボンフィスは非常に頼りがいのあるパートナーでした。私は彼の美的センスを信頼しています。「何が良くて、何が良くないか」みたいなことです。デザインのスケッチを見せに言っては、「ここはいいんじゃないか、ここは直したほうがいいんじゃないか」みたいなアドバイスをもらっていました。
先生と生徒みたいですね(笑)
そうとも言えますね(笑)他にも、具体的にいえばデザインだけではなくて、この腕時計の特長である木とスチールそれぞれの素材の加工の仕方やベルトの通し方など、細かなところにいろいろな苦労がありました。でも、だからこそこうして、実際にその作品を世に出して世界を回れるというのは、何とも言えない嬉しい気持ちですね。
日本進出には、何か特別な理由があったんですか?
特に強い理由があったわけではなくて、デンマークデザインは日本で人気だということから、日本への紹介はかなり自然な流れでした。
今年は日本・デンマーク国交150周年ということで、そのタイミングで来ることができたのはラッキーな偶然でした。
苦労して作り上げた作品が世界中で評価されていますね。Janusさんご自身は、その理由を何だと思いますか?
わからないな(笑)なんだろう。僕個人の意見では、ボンフィスの経験とか素材のコンビネーションが与える印象とかかもしれませんね。
自然でシンプルながら、それでいて新鮮味のあるデザインを完成させたヤーヌスさん。ここからは少し、プライベートにも迫ってみましょう。
平日や休日はどのように過ごしていますか?
毎日の固定スケジュールというのはなくて、週によってスケジュールは変わってきますね。仕事でいうと、今は弟が雑務をしてくれていますが、基本的には僕もいろいろします。メールチェックは土日もしていますよ。ふつうのデンマーク人はしませんけどね。休みは休みですから。(筆者注:ボンフィスさんもそんなことをおっしゃっていましたね(笑))
休日はコペンハーゲン郊外の自然の中を走ったり、映画を観たりします。新しいデザインのスケッチをしたり読書をしたり。読書といえばマンガも好きです。日本のアニメやマンガが好きですね。
ヤーヌスさんのヒュゲリな時間はいつですか?
そうですねえ。夕食後に、ソファーで彼女と一緒にテレビを見たり本を読んだりしながらリラックスしてるときですね。
それでは最後に、ヒュゲリニュースの読者に一言お願いします!
何でもメッセージしてください!デンマークのことでも時計のことでも、何でも喜んでお答えしますよ。
(インタビュー後、ヤーヌスさんと)
※筆者が眠そうな顔をしているのは写りの問題なので気にしないでください。
いかがでしたか?
このインタビューは、ヤーヌスさん(と彼女)の京都旅行中に行なわせていただいたのですが、ヤーヌスさんは「京都のデザイン哲学にはデンマークデザインと似たものを感じます。無駄をなくした機能美のようなところが共通しているように思いました」とおっしゃっていました。
そしてそして、「ヴェアホイの時計がほしい!」と思ったあなたに朗報です。
5月19日まで、コチラで先行販売しているということなので、興味のある方はぜひのぞいてみてください!
参考:ヴェアホイHP