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「磁石釣り」って何?歴史的な発見をした、スウェーデンの市民団体が気になる

いちばん最近、磁石を使ったのはいつですか?「小学生のときに砂鉄を集めて以来、磁石を一度も使っていない」という方は、明日にでも強力な磁石を買い求めたほうがいいかもしれません。

先日、Uppsala Magnetfiskeföreningというスウェーデンの小さな市民団体がニュースで話題になりました。というのも、彼らがウプサラという街の川底から、150年前の貴重な装飾品を釣り上げたから。その金属製の装飾品は、1846年に完成した橋の一部だそうで、当時のカール王子(後の国王)の持ちものでもあるとのこと。
日本がまだ江戸時代の頃の、ものすごい発見。しかし、そんなすごいものを、一体どうやって釣り上げたのでしょうか。

もくじ

川に沈んだ金属を磁石で釣り上げる、それがMagnetfiske

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<画像 | SVT Nyheter>

そう、磁石で釣り上げたのです。団体名にもあるMagnetfiskeとは、英語に訳すとMagnet fishing、つまり「磁石釣り」。

Uppsala Magnetfiskeföreningはウプサラを拠点に、7人で活動している趣味団体です。時間が空いたときに出かけていって、川に磁石を垂らしていろいろな金属製品や部品を釣り上げるのだそう。川や水辺に物を落として困っている人の手助けをしてあげるという側面もあるようです。

ちなみに趣味団体といっても、彼らが使う磁石は100kg程度のものまで持ち上げられる本格仕様。あなどってはいけませんよ(笑)

磁石でよく釣り上げられるのは?

(Uppsala Magnetfiskeföreningの活動の様子)

Uppsala Magnetfiskeföreningによると、よく釣り上げられるのは自転車や買い物用のカート、金槌のような金属製の用具だそうです。しかし、ときに10丁ものピストルを釣り上げたり、今回のように歴史的な発見をしてしまうことも。

ちなみに、この記事を書くにあたって彼らにコンタクトを取ってみたところ、「今日は男の子のiPhone7を釣り上げたよ」とのことでした(笑)

今後は「自分たちが釣り上げたものの展覧会もしてみたい」とのことでしたので、スウェーデンに行く機会のある方は、Magnetfiskeの活動にも注目してみてください。

ウプサラは、ストックホルムの北70kmほどに位置する、古い大学の街です。

参考:
Magnetfiskare gjorde historiskt fynd i Fyrisån | SVT Nyheter

Magnetfiskare fiskade upp gammal granat | SVT Nyheter

Så fungerar magnetfiske | SVT Nyheter