つい最近まで、新しいアルバム『What I Saw(ホワット・アイ・ソウ)』のプロモーションのために来日していたスウェーデンの歌姫、マイア・ヒラサワ。なんと北欧ヒュゲリニュースが、大阪にて彼女への独占インタビューに成功しました!

2010年に日本でCMソングを手がけたことを皮切りに、日本国内での活動が本格的にスタートしたマイア。エッセンシャルやポカリスエット、レクサスなどのCMソングに起用されましたが、やはりみなさん印象に残っているのは「JR九州 / 祝!九州キャンペーン」のCMソング「Boom!」ではないでしょうか?東日本大震災の影響で放送自粛になったCMですが、YouTube等の動画サイトに投稿されて大ヒット。当時は200万ビューを超えるアクセスを記録しました。

そんなマイアは昨年双子を出産し、今では二児の母。今回、お子さんと旦那さんも連れてアルバムのプロモーションのために日本に来ているという話を聞きつけ、様々な方のご協力を経て、私スウェーデンライターaikoが取材をさせていただけたのです!

写真:マイア・ヒラサワさんとスウェーデンライターaiko

今回のインタビュー前編では、マイアが「第二の故郷」と呼んでいる日本への想い、その後に、彼女の最新アルバムに込めた想いに迫っています。3.11の体験「Lights are out(ライツ・アー・アウト)」のPV制作秘話など、気になる話題が盛りだくさん!

ファンの方々だけでなく、マイアのことをまだあまり知らない方にも楽しんでいただけるようなインタビューになっていますので、ぜひ最後までお楽しみください!

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マイアにとって「日本は第二の故郷」

写真:「日本は第二の故郷」と語るマイア・ヒラサワ

-まずは新しいアルバムのリリースと双子のご出産、おめでとうございます!今回の日本滞在は今のところいかがですか?

とても忙しいけど、今のところすごく良い感じよ。2年前に日本で初めてCDをリリースした時は、「こんなにたくさんインタビューがあるんだ!」って驚いたの。でも、プロモーションツアーってそういうものなんだ、っていうことがもう分かったから、今回は一つ一つの出会いをもっと楽しむようにしてる。忙しいんだけど、すごく充実してるわ。

-今回は、お子さん(双子)も連れてきたんですよね?

そうなの。子どもと旦那とね。今は東京にいるから、明日やっと会えるわ。早く会いたくて仕方ないの!

-まだ一歳半なんでしたっけ?

そうよ。

-お子さんにとっては、初めての日本なんですか?

いや、二回目なの。去年の夏に私が日本でライブやった時も連れて来たの。多分二人は覚えてないと思うけどね。でも日本は新しい刺激がたくさんあるから、彼らが今後どんな反応を示すのか楽しみね。

-マイアはよく日本に遊びに来てますよね。

そうね。毎回すごく楽しみにしてるわ。日本に来ると、「あぁ、やっと戻ってこれたわ」っていう気分になれて、ホッとするの。私の第二の故郷よ。スウェーデンよりも好きかもしれない。けどスウェーデンには友達がたくさんいるし、家族もいるから、やっぱり住むとしたらスウェーデンなのよね。でも絶対にまた日本で生活したいわ。

-日本に遊びに来るときに必ず行く場所ってありますか?

仙台に一年住んでたことがあるから、仙台の友達には必ず会いに行くようにしてる。それが私にとって大切なこと。あとは、とにかく食べまくる!日本食が大好きなのよ。

-どんな日本食が好きなんですか?

美味しいものはたくさんあるけど、夏の時期は寿司やざるそばがいいよね。スウェーデンでは手に入らないものがいいわ。あなたはスウェーデンにいた時美味しい寿司食べれた?

-うーん…(笑)あるお店で「スウェーデン・スペシャル」なんていうメニューがあったんですけど、プレートにサーモンの寿司しか乗ってなくてビックリしました!

それね!私の友達も、サーモンだけしか食べない人が多いのよねぇ。それだけってちょっとどうなのかな…って私は思っちゃう。脂身も多いしね。けどサーモンより美味しい寿司があるっていうことを知らないだけなのよね。

 

マイアが新しいアルバムに込めた想いとは?

写真:マイア・ヒラサワが新しいアルバムに込めた想いとは?

-続いて、本題の音楽の話に移りたいと思います。マイアの新しいアルバム、Spotifyでずっと聴いてるんですけど、すごく好きです!

ありがとう!

-まずは、このアルバムにどんな思いを込めたのかを教えていただけますか?

音楽を作るときに、何を書いていいかまったく分からない時もあったりするんだけど、今回は、伝えたいことがたくさんあったの。そして「伝えるべきだ」っていう使命感に駆られたわ。セラピーのようでもあったけど、今回作った音楽は私にとって大事な意味を持ってるの。このアルバムの仕上がりにはすごく満足してるわ。周りの評価もとても良くて、私の伝えたかったことをちゃんと理解してくれてる気がする。

かなり重い歌詞が多いんだけど、暗いアルバムは作りたくはなかった。希望を残したかったの。誰でも、苦しいときや楽しいときがあるけど、それが人生よね。私は正直にその思いを伝えたくて、人生の中の辛い瞬間を描きつつも、「ずっとそれが続くわけじゃないんだよ」っていうことも伝えたかった。

-今回のアルバムは、とても落ち着きがあって、一つ一つの歌に強烈でパーソナルなメッセージが込められているなと私は感じました。特に一日本人としては、(3.11のマイアの個人的な体験をもとに書かれた)「What I Saw(ホワット・アイ・ソウ)」や「No one else but God(ノー・ワン・エルス・バット・ゴッド)」の二曲がすごく印象的で心に響きました。これらの音楽に対して、マイアのスウェーデンのファンはどんな反応を示したのでしょうか?

私のように3.11を体験した人と全く同じように、この二曲の歌詞を受け止めることはできないと思う。ただ、私がいつも音楽に込めているのは、「明日何が起きるかわからない。だからこそ今、この瞬間を生きるべき。」という想い。もしかしたらそのメッセージは、スウェーデンのファンにも伝わってるかもしれないわ。

3.11が起きるまでは、「私は絶対に死ぬことなんてない。平和な日々がずっと続くんだろうな。」って思ってたのよ。スウェーデンでは地震が起きないから、スウェーデン人ってとても安全な生活を送ってるのよね。だから、実際のところどういう気持ちでこの音楽を受け止めているかは、わからないわ。

-スウェーデンのテレビ番組で行われたマイアのインタビューをいくつかYouTubeで見たんですけど、3.11の話題がやはり多かったですよね。

そうね。3.11が起きた直後は、自分にとってあまりにも辛い時期だったから、スウェーデンのメディアには出演したくなかった。だからこそ、今回みんな私の話を聞いてみたかったんだと思うわ。

 

アルバム収録曲3曲をピックアップ:
「Thunder」「Lights are out」「Still Think of It」

写真:マイア・ヒラサワの新アルバム収録曲3曲をピックアップ

-私の一番好きな曲は「Thunder(サンダー)」なんですが、3.11や出産の体験に基づいているようには感じませんでした。マイアがこの曲に込めた想いというのはなんだったんでしょうか?

実は、その曲は3.11の大地震が起きる前に書いてたのよ。その日の朝から晩まで起きたことは全て覚えてるから、その曲を書いたっていう記憶は強烈に残ってるの。

「Thunder」という曲は、とにかく何もかもうまくいかなくて、自分に自信を持つことができない一日を描いてるのよ。それを私はThunder(雷)と呼んでいるの。「あなたが褒めてくれたって気にもかからない。幸せだねと言われても耳に入らない。」(歌詞の一部)というようにね。

自分のことを信じられない瞬間が、私の場合結構多いのよね。 最近はすごく調子の良い日が続いているけど、特に音楽を作っている時は、自分に自信を持つことがすごく難しいの。

-「Lights are out(ライツ・アー・アウト)」のプロモーションビデオを見ました。すごく気に入ってます。あれはスウェーデンで撮影されたんですか?

そうね。大きくて古い倉庫の中だったわ。ストックホルムの大学の近くだったのよ。冬だったんだけど、とても寒かったわ!

今回のアルバムでは、プロデューサーをつけてみたの。その道のプロに制作を手伝ってもらいたい、っていう願望があってね。だから「Lights are out」のPVのディレクションも腕のある人にお願いしたんだけど、どんな撮影になるのか私も全然分からなかった。「あなたを信頼してるから、全て任せる」っていうスタンスで臨んだのよ。面白かったわ。

まず初めに、たくさんの豆電球を体に取り付けられたの。その上にプラスチックを被されて、更に16メーターもある生地を縫い付けられたのよ。だから10時間トイレを我慢しないといけなかったの。じゃないと衣装が全部台無しになっちゃうからね。そのうち汗をかきはじめたんだけど、ちょっと感電しちゃったわ。けど全てはアートのために、ね!

すごく大変な作業だったけど、楽しかったわ。撮影中は、「辛い!…けどこれは最高の体験!」って自分に言い聞かせてた。最終的に出来上がったPVには、とっても満足してるわ。

「Lights are out」のPVはこちら:

-このアルバムの中で一番好きな曲はありますか?

どの曲も好きなんだけど、その中でも特に「Still Think of It(スティル・シンク・オブ・イット)」はお気に入りだわ。この曲は私にとってとても大事で、一番最後に作った曲なんだけどあまり時間をかけることなく作れたの。私の中から自然と湧きでてきた曲だったのよ。

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という訳で、インタビュー前編はここまで。

続くインタビュー後編では、マイアの今後の予定や、長期的な目標についても伺ってみました。日本語を勉強中の彼女は、いつか某有名アイドルグループに曲を作ってみたいとか!?また、スウェーデン旅行を検討中の皆さんにはとっても参考になる「マイアのスウェーデンおすすめスポット」もご紹介しちゃいます!お楽しみに!

写真提供: MASAHIRO TAINAKA

>> インタビュー後編もぜひご覧下さい。