こんばんは、年末年始はスウェーデンでリフレッシュしてきたaikoです。

さて、今年一発目は『YOUは何しに北欧へ?』の第三弾をお届けしたいと思います。

第一弾ではスウェーデンのグリーンピース(国際環境保護団体)で活躍されていたアキコ・フリッドさんをご紹介。第二弾は、アキコさんからご紹介いただいた、日本の手仕事とお茶のお店をご夫婦でやられている明知直子さん。 そして今回第三弾として直子さんにご紹介いただいたのは、スウェーデン王立バレエでダンサーをつとめる木田真理子さん。

真理子さんはスウェーデン在住歴4年半で、現在ストックホルムに住んでいます。最後までインタビューをお楽しみください!

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Mariko Kida photo by John Hall

画像:John Hall

1. スウェーデンに引っ越したきっかけを教えてください!

スウェーデンに来る前はカナダのバレエ団に所属していて、7年間カナダ(カルガリー2年・モントリオール5年)に住んでいました。モントリオールで所属していたLes Grands Ballets Canadiensには、クラシックバレエだけではなくコンテンポラリーダンスのレパートリーも沢山あり、そこでほぼ全ての作品を踊る機会をいただきました。そのお陰でダンサーとして世界が広がり、様々なダンススタイルに興味を持つようになりました。

踊った作品の中で面白いと思ったものは、ほとんどヨーロッパの振付家の作品ばかりだったので、少しずつヨーロッパのダンスに興味を持つようになり、2009年の年明けに何カ所か興味のあるヨーロッパのダンスカンパニーでオーディションを受けました。

すごく迷いましたが、レパートリーがとても良かったのでGöteborgsoperan(ヨーテボリオペラ劇場)のバレエ団に入団することに決め、そこで3年間踊りました。その間にヨーテボリバレエの芸術監督が、ストックホルムの王立オペラバレエの芸術監督に就任しました。私自身ストックホルムに興味があり、芸術監督も、私にストックホルムに来てほしいと言ってくれたので、1年後に王立オペラバレエに移籍しました。今はストックホルム生活2年目です。

Mariko Kida Royal Swedish opera house J&R poster

2. 今はどのような活動をされていますか?

ストックホルムに来てからの最初の舞台は、スティン・セリスというベルギー人の振付家の新作でした。オペラハウスのバレエダンサーから14人(バレエ団員は70人強)とオペラ歌手約40人が、モーツァルトの大ミサ曲ハ短調という壮大な音楽を使って同じ舞台でパフォーマンスをする、というものでした。

他にはスウェーデンの振付家ヨハン・インガーや、イスラエルの振付家でフランスで活躍しているエマニュエル・ガットの作品、またクラシックバレエでは『眠りの森の美女』『くるみ割り人形』に出演しました。これだけでも盛り沢山でしたが、世界的に有名なスウェーデンの振付家マッツ・エックの17年ぶりの全幕バレエ新作『ジュリエットとロミオ』でジュリエット役に選ばれ、2013年5月に世界初演できたのは大きな出来事でした。

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画像:Carl Thorborg

今はカンパニーのダンサー6人と振付コラボレーションをして作品を発表したり、2014年1月公開予定の新作のリハーサルをしています。

 

3. スウェーデンに来て仕事上で一番の苦労話(あるいはカルチャーギャップを感じたこと)を教えてください。

スウェーデン人はちょっとシャイでおっとりしていて、マイペースな人が多いかなと思います。お友達として付き合うのは楽しいですが、仕事となると日本人の私としては、やりにくいことが多いですね。日本人のほうが真面目で仕事が速くて、仕事に対する責任感が強いと思います。また、スウェーデン人は不満があってもあまりハッキリ言わないので、問題点が改善されるのに時間がかかります。

4. スウェーデンに来て仕事上で一番嬉しかった話を教えてください。

世界的に有名な振付家のマッツ・エックと一緒に新作『ジュリエットとロミオ』の仕事が出来たことは、多分これまでの私のキャリアで一番大きい出来事だと思います。恐ろしいほどのプレッシャーを感じましたし、8ヶ月という長い創作期間中にオーバーワークから大怪我をしてしまったこともあり、落ち込んでどうなるかと焦ることが沢山ありました。そんな中、マッツ・エックから「ジュリエットはあなたじゃないと出来ない」と言ってもらえて、すごく信頼が感じられたことは、とても嬉しかったです。

『ジュリエットとロミオ』は世界的に注目を浴び、一般のお客さんだけではなく世界中からダンス評論家、ディレクターなどダンス関係者がたくさん観に来てくれました。

J&R newspaper review

5. 真理子さんがスウェーデンで学んだ仕事術あるいはライフスタイルで、日本でも取り入れられそうな(あるいは日本人が見習うべき)ことはありますか?

スウェーデンでは働く女性が多いし、男性もよく子育てしていて、日本に比べて自分のライフスタイルを選びやすい環境かなと思います。スウェーデン人はちょっとシャイでおっとりしててマイペース、とすでに書きましたが、それが育児休暇だったり余暇を取りやすい環境を作っているのかなと思います。

6. 今後の目標を教えてください!

仕事でもプライベートでも興味を持ったことにどんどんチャレンジすること。もっと自分に素直になりたいと思っています。

7. 真理子さんにとって、もっともヒュゲリ(デンマーク語で「心地良い」)な瞬間はいつですか?

舞台や普段のリハーサルなどで心身かなり疲れるので、よく食べて寝ることも、いい踊りをするために大切だと思っています。私は食いしん坊だし、ぐーたらするのも得意なので、それほど問題はありませんが、舞台のことで緊張していたり、公演後の興奮などでなかなか寝れない時があります。毎日とはいきませんが、洗ったばかりの綺麗なシーツと布団カバーにかえてベッドに入ると、最高にリラックスできます。

8. この企画は、リレー形式で続けていきます。北欧で活躍されている日本人の方をご存知でしたら、ぜひご紹介ください!

スウェーデンのヨーテボリを拠点に北欧で活躍している陶芸家の大矢真義(Oya Masayoshi)さんです。ヨーテボリに住んでいた時に知り合った方です。すごく素敵な作品をたくさん発表していて、私自身が彼の作品のファンです。ストックホルムでも彼の作品を目にすることがあるし、私と年齢が近いアーティストなので、すごくいい刺激をもらっています。

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いかがでしたでしょうか。

スウェーデンのバレエ団で活躍し、しかもジュリエット役に大抜擢されるような日本人の方にインタビューができて大変光栄でした!Kungliga Operan(王立スウェーデン歌劇場)のYouTube公式ビデオで、ジュリエット役を演じる真理子さんの姿が見れますのでぜひご覧ください(0:29頃):

いつか、真理子さんのパフォーマンスを生で見てみたいですね!今後はどんなステージに立たれるのか、個人的にとても楽しみにしています。

次回は、スウェーデンのヨーテボリ在住の陶芸家、大矢さんにインタビューします。引き続きお楽しみに!