先日、「フィンランドでベーシックインカムの導入が決定」という内容の誤報が世界中に出回ったのをご存知ですか?ベーシックインカムとは、政府が無条件で全国民に一定額(最低限の生活を送るのに必要な金額)の現金を定期的に支給する構想のことです。今回の場合は、「フィンランド政府が全国民に800ユーロ(約11万円)支給することになった」という風に報じられました。

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先ほども申し上げたように、結局この報道は誤報だったのですが、この誤報が電子メディアを伝って世界中に拡散されてしまったため、フィンランド社会保険機関Kelaが急きょ訂正するという事態になりました。

Kelaによると、「今年10月末からベーシックインカムに関する事前調査が始まっただけのことで、その導入が決定されたというのは正しい情報ではない」とのこと。

Kelaはベーシックインカム制度の実施に焦点をあてた実験的な研究を進めており、その目的としては

  1. 労働市場の変化に対応した社会安全システムを再構成する方法を見つけるため
  2. 労働意欲を高める観点から、ベーシックインカム制度をさらに強化し、効果的に実施する方法を探すため
  3. 官僚主義の減少と複雑な利潤システムの簡素化を図るため

といったことだそうです。

今後の流れとしては、来年春に、今年10月に始まった事前調査やその他各国におけるベーシックインカムに関する情報や知見が政府大臣や機関に提出され、それを受けて同年下半期には実験モデルと研究構想の分析がなされます。そして、予定では二年後、2017年に全国民を対象にしたベーシックインカム実験が開始されるということです。

この言い方、たしかに「ベーシックインカム導入決定!」と言いたくもなるような・・・(笑)

それにしても、自分の国を使って経済的な実験をおこなうというのは何とも大胆な、規模の大きな話ですよね。

情報の成否を判別する力の必要性を改めて感じつつ、フィンランド、ひいては北欧の先進的な取り組みにも改めてうなってしまったニュースでした。

参考:
Contrary to reports, basic income study still at preliminary stage – News archive for customers – kela.fi
フィンランド、国民全員に800ユーロ(約11万円)のベーシックインカムを支給へ – BusinessNewsline