ヒュゲリなコラム

「学生に戻りたい・・・」そんな方には、スウェーデン教育がおすすめ!

みなさん、突然ですか、スウェーデンの教育と聞くとどんなイメージをお持ちですか?北欧では「教育先進国」であるフィンランドがよく取り上げられますが、隣国スウェーデンはどうなんだろうと気になりませんか?

北欧ヒュゲリニュースの兄弟チームである北欧留学ネットワークは、1月17日(土)に「スウェーデンの教育制度 初級編」というテーマの勉強会を大阪で開催しました。多くのご参加ありがとうございました。

本記事では、気になるけれど参加できなかった人や、そもそもイベント自体を知らなかった人にも向けて、勉強会の内容を公開します。

もくじ

スウェーデンの教育制度って?(概要)

まずは、スウェーデンの教育制度を図にした下の画像をご覧ください。

swedenprivateschool01
画像:Utbildningskartan – klickbar

この図は、1番左下を幼児教育、右上を大学とし、矢印の方向に進学できることを表しています。日本と同様、保育所~大学まで太い矢印が伸びていると思うのですが、その他にも基礎学校(日本の小・中学校)から大学までの間に様々な矢印が伸びていることが分かると思います。これこそがスウェーデン教育の大きな特徴である「やり直し教育」の充実度を表しています。

「やり直し教育」とは何だろう?と気になるかもしれませんが、先に各教育機関をざっと説明します。

まず前提知識としては、スウェーデンでは基本的に授業料は無料で、大学になると教科書代など必要経費が別途発生します。またスウェーデンでは18歳が成人で、18歳になると、経済的な意味でも親から独立します。そのため、大半の人が、奨学金を受けながら、大学や成人教育機関で学びます。

  • 保育所 (Förskola)
  • 1~5歳の幼児が対象で、親が就学または就労している(失業中も含めて)場合、子どもの世話をし、成長を見守ります。費用は市町村または運営する機関が保育料を定めます。

  • 就学前学校 (Förskoleklass)
  • 6歳が対象です。義務教育ではないのですが、ほとんどの子どもが通っています。遊びや何かを作ることを通して成長する場となっています。

  • 基礎学校 (Grundskola)
  • 7歳~16歳のスウェーデンにいる全ての子どもが対象です。日本の小・中学校と同じ9年制の義務教育機関で、6年生から成績がつきます。9年生の最終成績が高校進学に大きな意味合いを持ちます。

  • 高等学校 (Gymnasium)
  • 16歳~20歳の基礎学校卒業資格をもつ者が対象で、3年制です。自分の進路を考えて、入学時に18のプログラムから選びます。プログラムには以下のようなものがあります。
    -大学進学プログラム(経済、芸術、人文、自然科学、社会科学、工学)
    -職業プログラム(建築、保育、電気、流通、経営、観光、手工芸、産業技術など)
    -導入プログラム(対象:大学進学や職業プログラムへ進学する資格がない者、このプログラムを修了した後に、大学進学または職業プログラムに進めます。)

  • 大学 (Universitet, Högskola)
  • 高校卒業資格のある者が対象です。大学入学については、3月に勉強会を開催する予定で、その時に合わせて記事を書きます。

  • 公立成人学校 (Kommunal vuxenutbildning)
  • 全ての成人が対象で、基礎学校や高等学校の教育を修了していない者が、修了資格を取るために通います。また、職業教育コースもあります。

  • 移民のためのスウェーデン語学校 (SFI: Svenskundervisning för invandrare)
  • 16歳以上でスウェーデン語が母国語でない者が対象で、スウェーデン語習得を目指します。

  • 国民高等学校 (Folkhögskola)
  • 全ての成人が対象で、普通科コース(高校レベルの内容)と特別コース(芸術や職業教育に特化)があります。

大学までは、日本にも同じような機関がありますが「公立成人学校」や「国民高等学校」って何だろう?と思いませんか。これこそが、スウェーデンの教育の最大の特徴と言えます。

充実した成人教育

スウェーデンでは「やり直し教育」の制度が整っていると書きましたが、この成人教育の充実度がやり直し教育の制度を支えています。

就職した後でも、自分の人生を見直して専攻の学問を変えたり、今ある能力を高めるために、学び直すことを選択できる制度が整っています。例えば、企業に勤めている40代女性が、医師を目指すために医学部を目指すことも可能なのです。

日本では一度就職したら、学び直すのはなかなか難しいですよね。例えば英会話スクールのような、企業が提供する教育サービスは充実していますが、費用がかかります。勉強会参加者の方からは「スウェーデンだったら学び直しが無料でできるので羨ましい」との声もありました。

個人の能力向上は、企業だけではなく国にとっても大きな利益になると思うので、経済的な理由で教育を諦めるのはもったいないですよね。スウェーデン式のやり直し易い教育制度は、「今まで勉強してこなかったから、学び直したい」「自分の能力を高めるために、より深く学びたい」と考える人にとっては、理想的ではないでしょうか。

みなさんはどう思いますか?

次回勉強会のお知らせ

このようにスウェーデンの教育についてもっと詳しく知りたい!と思った方に、次回の勉強会をお知らせします。次回は2月14日の土曜日開催!高校事情を深く探っていきたいと思います。

参加を希望される方は下記のFacebookイベントページから「参加」をクリックしてください。
facebookevent

[Information]
中級編「スウェーデンの教育制度-高校事情について-」
日時:2月14日(土)9:50~12:00
場所:大阪市立青少年センター(愛称:KOKOPLAZA) http://www.kokoplaza.net/access.html
参加費:500円(お飲み物ご用意してあります)
定員:20名
https://www.facebook.com/events/576031815865561/

スケジュール:
9:50~10:00 受付
10:00~10:05 北欧留学ネットワークについて
10:05~10:20 Ice break
10:20~10:45 「日本の高校制度」講義&意見交換
10:45~11:00 「スウェーデンの高校事情」講義
11:00~12:00 ディスカッション「高校教育のあり方」
(ディスカッションが複数グループに分かれる場合、意見をシェアする時間を設けます。)