ヒュゲリなコラム

北欧での子育ては70%でOK?デンマークの児童心理学者のススメ

子供がいる人、これから親になるかもしれない人が「誇れる親になりたい」、「まわりから認められるような親になりたい」と思うのは自然ではないでしょうか。

わたしも、自分の親のような子供の育て方はしたくない、幼少時代の体験を自分の子には経験させたくない、と強く思っていた(そして今も思っている)ので、”いい親(Great mother)”になるぞと意気込み、間違ったことはしないように、何が”正解”なのかいつも考え、間違ったことはしないように、といつも考えていました。

娘が産まれて数ヶ月後、当時家庭訪問を受けていた小児・児童心理学者のエマから言われたのは「70%で十分よ」という驚きの言葉。

それを聞いたときの反応は、えっ?70%って低すぎない?

私の感覚からすると、本当は100%がいいけど、それは無理だから90%を目指そうか、90が無理なら最低85%は押さえよう、というのがしっくりくるところでした。

でもエマは、目指すべきは、perfectはおろか、greatでもgoodでもなく、good enough motherだと私の常識を覆します。

100点を目指しなさい、優勝を目指しなさい、という競争社会で中学まで過ごした私は、自然と、perfectやgreatを目指すのが普通になっていました。

テストや宿題で、たった一つしかない答えを見つけることで最高の評価を受けられる。何事でも一流を目指す。

仕事でも、失敗をしないように、用意周到に準備し、プランAがうまくいかなかったときのために、プランB、Cまで練ることに時間を費やす。

バリエーションに寛容でない脳みそは、自分を苦しめ、疲労させます。

でも、バランスはとても難しい。

というのも、私の脳みそが満足して充実感を感じるのは、何かを完璧にやり遂げたときや、150%のエネルギーで限界を越えてやり続ける時だからです。

すると結果もついてきて、さらに頑張ることに。

もう10年ほど前のことですが、そんな生活を続けて倒れ、病気になってしまったこともありました。

その経験から学んだと思いきや、脳の成長時期に擦り込まれた「幸せの法則」を覆すのは、私にとっては難しく、意識していないと忘れそうになります。

人によって「頑張る」の度合いは違うでしょう。

でも、わたしにとって、適度の力で70%で満足し、真に「自分に優しく寛容に」を実行するのは思ったより簡単ではない。

私の永遠のテーマです。