僕が北欧を好きな理由のひとつが、北欧諸国は社会として(少なくとも日本と比べ)先に進んでいると感じる点が多いことです。その全てが必ずしも良いと思っているわけではなくて、日本が今直面している問題に先行して取り組んでいる事例が沢山あるからこそ、そこから学べることが多いんじゃないかと思うのです。
移民のこと、ジェンダーのこと、福祉のこと、教育のこと、働き方のこと。色々学びたい先行事例がある中で、今回はそれらとは違う面白い取り組みを知ったのでご紹介します。
フィンランドの首都では、都市の環境から自家用車をなくすことを目的にした都市交通システムが計画されている。休日に自家用車に乗って海や地方に行くこともあるだろう。だがそれ以外のための利用については、ゼロにするのだ。
引用:2025年、ヘルシンキは「自家用車が走らない都市」になる:都市計画 « WIRED.jp
今、主にITの発達によって、世界には色んな“人々の移動を助けるサービス”ができています。例えば、日本では東京で試験運用されている段階(2014年8月現在)の『Uber』というサービスは、スマートフォンアプリで今自分がいる場所にハイヤーを呼ぶことができるサービス。既に日本でもタクシーを呼ぶことが出来るアプリが普及していますが、クレジットカードを登録しておけば決済までアプリ内で完結できる気軽さがUberがアメリカを中心に北欧でもヒットしている要因です。
日本でも普及してきているものでは、カーシェアリングサービスがあります。僕はタイムズのカーシェアリングサービスを一時期契約していて、アプリで予約してすぐに車を借りることができ、事前にクレジットカードを登録しておけば、月額1000円の基本料金+乗った分(時間と距離)が自動的に引き落とされるという便利なシステムに、プチ感動をした覚えがあります。
ヘルシンキでは、そういった移動に関する既存サービスや、既存サービスでは足りない部分を補うオリジナルのサービスを活用することによって、なるべくみんなが自家用車で思い思いに走ることをやめようとしているそうです。ヘルシンキがなんのためにそれを行おうとしているのかまで、今のところ僕は調査できていないのですが、少なくともエコで効率的で事故の少ない移動が実現するように思います。
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この政策のために既にヘルシンキで運用が始まっているサービスとしては、アプリで呼び出し、自分が今いる場所から行きたい場所まで送ってくれるバス、『Kutsuplus』というものがあります。前述のUberと何が違うかというと、コチラは“バス”と書いたとおり、同じタイミングでアプリを使って呼び出した複数の人達を乗せては降ろしていく事ができる、なるべく効率の良いルートを、Kutsuplusのシステムが自動的に集計&計算して運行してくれるのだそう。
もちろん、それでいて、普通のバスよりは高いが、タクシーよりは安い。現在の料金は、基本料金3.5ユーロ(約468円)、プラス3キロ毎に1.35ユーロ(約180円)だ。
引用:あなたの固定観念をぶち壊す! 画期的なバスのシステムKutsuplus – ICHIROYAのブログ
ということなので、タクシーやUberよりもっと気軽に使える移動手段になるかもしれません。興味がある方は上の動画もご覧ください。
ヘルシンキの取り組みがうまく機能するのかどうかは、わかりません。“自家用車をなくす”という思い切った施策に反対する人も0ではないはずです。日本で首相が口にしたら、世界的な自動車メーカーから徹底的に叩かれる様子も目に浮かびます。
しかし、それでも実験を兼ねつつ、本来的に正しそうな方向に思い切って舵を切れる姿勢は、我々の住む日本も、そして私達個人としても見習わなくてはと思いますがいかがでしょうか。
なんとなく成熟した日本の社会の中で、決められたシステムを受け入れて生きてしまいがちですが、小さなことでもいいので身の回りに起きている問題に対してそれがうまくいく仮設を立て、実行するようなマインドを持てれば良いなと思ったのでした。
参考:
2025年、ヘルシンキは「自家用車が走らない都市」になる:都市計画 « WIRED.jp
あなたの固定観念をぶち壊す! 画期的なバスのシステムKutsuplus – ICHIROYAのブログ
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